9月30日に開幕する第60回ニューヨーク映画祭のオープニング作品に、地元ブルックリン出身のノア・バームバック(Noah Baumbach)監督の「ホワイト・ノイズ」(White Noise)が選ばれた。北米でプレミア公開される。
同作品は、1985年に出版され、全米図書賞を受賞したドン・デリーノの小説「ホワイト・ノイズ」(1985)を映画化したもの。バームバック氏が、脚本と監督を務めた。
キャストには、前作「マリッジ・ストーリー」で主演男優賞にノミネートされたアダム・ドライバー(Adam Driver)が大学でヒトラー学を研究するジャック・グラドニー教授を、「レディ・バード」のグレタ・ガーウィグ(Greta Gerwig)が謎めいたジャックの妻バベットを演じる。
主催団体は「映画化が不可能だとみられていた」原作を、「重厚かつ、完全に予想のつかない現代的な風刺作品に仕上げた」と紹介。「コメディとホラーが綱渡り」するような世界観が展開され、デリーノの作品に含まれる「不快な大衆的哲学の悪夢、際限のない消費主義、生態系の大惨事、アメリカ人の死への固執」などのエッセンスを見事に捉えていると評した。
バームバック氏は声明で、1985年に開催された第23回NYFFで、父親と黒澤明監督の「乱」を鑑賞した年に、父が「ホワイト・ノイズ」を自宅に持ち帰ったと明かし、今回のオープニング作品に選ばれたことは「非常に特別なこと。NYFFは映画を学ぶ場でもあり、ホームのような存在」と喜びを語った。
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同作品は「マリッジ・ストーリー」と同様、Netflixで配信される。