マンハッタンで28日夕方、警察官がデモ行進に参加していた女性を拘束し、覆面のミニバンで連れ去る出来事があった。
デモ隊は午後6時ごろ、マンハッタンのイースト25ストリートとセカンドアベニュー付近をマディソン・スクエアパーク方面へと行進していたという。
SNSに投稿されたビデオでは、4人の私服姿の男性が、抵抗する女性を拘束し、車両に乗せる様子が撮影されている。また拘束を妨害されないよう、自転車で警察官が駆けつける姿も映っている。
ジョージ・フロイドさんの死亡事件以降、2カ月近く抗議デモが続くオレゴン州ポートランドで、連邦政府の職員が所属を明かさずデモ参加者を拘束し、車両に押し込んだことになぞらえ、「ポートランド式」や「誘拐だ」と非難する声が上がった。
ビデオを見たコーリー・ジョンソン(Corey Johnson)市議会議長は「非常に憂慮すべき出来事だ」と述べた。またジュマーニ・ウィリアムズ(Jumaane Williams)市政監督官も「心配である」と述べ、今回の出来事を調査する意向をツイートした。
同日ニューヨーク市警察は声明で、拘束した女性はシティホールパークでの抗議デモで、5回にわたり、警察官の監視カメラを破壊したなどの容疑があったと発表した。また今回の拘束時に警察官らは、他のデモ参加者から石や瓶で攻撃されたと述べた。
さらに覆面パトカーは何十年も使用していると述べ、私服警察の「ワラント・スクワット」は、容疑者を発見するのに役立っていると主張している。
なお、シティホールパークでは、先月から今月にかけて1カ月近く泊まり込みでの抗議活動が行われていた。抗議者らは、警察部門の予算削減や改革を求めており、警察官と衝突する場面が度々報じられていた。
ニューヨークポストによると、女性は器物損壊や落書きなどの罪で起訴された。合計で12名が拘束されたという。