ハリス氏 激戦3州でトランプ氏をリードも先行き不透明

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ニューヨークタイムズとシエナ大学による最新の世論調査(8月5日〜9日にかけて実施)で、ラストベルトにまたがる激戦3州で、ハリス氏がトランプ氏を上回る結果となった。これらの州でバイデン氏はトランプ氏とタイ、またはわずかにトランプ氏にリードを許していた。

発表によると、ミシガン州とウィスコンシン州、ペンシルベニア州の結果は、いずれも50ポイント対46ポイントで、ハリス氏が4ポイントリードした。

支持率上昇の要因について、同紙は有権者の認識の変化の可能性を指摘。ペンシルベニア州で、ハリス氏の好感度は先月に比べて10%増加したほか、有権者はハリス氏をトランプ氏よりも知的で大統領にふさわしい気質を持ち合わせていると見ているとした。

デモグラフィーでは、民主党が従来強みとしていたが、バイデン氏の元で失い始めた黒人と若者層の支持率の改善が見られると同時に、バイデン氏に忠実だった高齢者層もつなぎとめているという。

ハリス氏が仮に3州を制した場合、激戦が予想されるサンベルトのジョージア州、アリゾナ州、ネバダ州、ノースカロライナ州を落としても獲得できる選挙人は270に達し、勝利をものにできる。

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民主党にとっては、ハリス氏への交代が吉と出たものの、勢いを維持できるかが問題となる。

一般的に、副大統領候補の指名に続く数日または数週間は、支持率が高まる傾向にあり、そもそも選挙の争点の核となる部分は変わっていない。

3州の有権者が最大の関心を示す経済問題の対応で、ハリス氏を信頼すると答えた割合は、バイデン氏を上回ったが、トランプ氏に6ポイント差をつけられた。その上、ハリス氏は副大統領としてバイデン氏の政策に否定的な立場を取ることができない。

経済に次いで関心が高かった人工妊娠中絶については、ハリス氏がトランプ氏を21ポイント上回ったが、3番目の移民問題では、トランプ氏が5ポイントリードした。

また、4割以上がハリス氏を「リベラル過ぎる」と回答しており、同紙はハリス氏の政治的立場が弱点になると指摘した。

トランプ氏は、ハリス氏のイデオロギーを強調することに時間を費やしている。

10日にモンタナ州で開いた集会では、冒頭からハリス氏を「過激左派のクレイジーカマラ」と呼び、「彼女は君たちから銃を取り上げたがっている。君たちは銃が好きだろう?。彼女が警察の予算削減をしたがっているのはどうだ。君たちはそれでも良いのか?。彼女は数百万の人々を国境に流入させたがっている。侵略のプロセスを使ってだ。君たちだけじゃなくて、私や大半の国民のためにならない。われわれは、クレイジーカマラを立ち退かせる」と訴えかけた。