何が起きるかわからない!アカデミー賞ハプニングの数々

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ハリウッドで開催され、映画の賞レースのクライマックスを飾るアカデミー賞授賞式。映画界のトップスターが一堂に会し、世界中の注目を集める。アメリカ国内では2,000万人近くが視聴するとも言われている。

ウィル・スミスがジョークに激怒「ビンタ事件」

2022年の第94回授賞式では、プレゼンターが俳優にしばかれる事件が発生した。

クリス・ロックが、ウィル・スミスの妻ジェイダ・ピンケット・スミスの頭髪をジョークにしたところ、ウィルがブチギレ。壇上をツカツカと歩み寄ってビンタをお見舞いした。問題を重く見た映画芸術科学アカデミーは、ウィルに10年間のアカデミーイベントへの出席禁止を通告。ウィルも自らアカデミー会員を退会した。

なお、ビンタの後もウィルは会場にいることを許され、『ドリームプラン』のリチャード・ウィリアムズ役で主演男優賞を受賞し、スピーチを行った。主催側のこの判断にも非難が殺到した。

マーロン・ブランド受賞拒否

1973年の第45回授賞式では、『ゴッドファーザー』で主演男優賞に輝いた俳優のマーロン・ブランドが、映画やテレビ業界の先住民に対する扱いに抗議の意を表し、授賞式への出席を拒否。代わりにアパッチ族出身の女優で活動家のサチーン・リトルフェザーにスピーチを託した。登壇したリトルフェザーに会場からブーイングが起こり、その後プレゼンターとして登場したクリント・イーストウッドが、ジョークにして笑いを誘う一幕もあった。リトルフェザーは後に、西部劇のスター、ジョン・ウェインが激怒して、舞台から自分を引き摺り下ろそうと近づいてきたが、警備員に取り押さえられたと明かしている。

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『ラ・ラ・ランド』作品賞間違い事件

アカデミー史上最大ともいわれるハプニングが起きたのは、2017年の第89回授賞式におけるクライマックス、作品賞の発表場面。史上最多のノミネートを果たした『ラ・ラ・ランド』の受賞が発表され、製作陣が受賞スピーチを行なっている真っ最中に、実は『ムーンライト』の間違いだったことが判明した。

プレゼンターのウォーレン・ベイティは発表前に異変に気が付いたが、共同プレゼンターのフェイ・ダナウェイが読み上げてしまった。封筒から取り出した手紙には『ラ・ラ・ランド』のエマ・ストーンと書かれていたという。

その後、封筒を管理するパートナー企業の担当者がベイティに誤った封筒を渡したことが判明した。ショーの最中に携帯電話でツイッターをいじっていたことがミスを招いた可能性があり、以降、注意散漫を防ぐために携帯電話やSNSの使用が禁止されるようになった。

政治的スピーチにブーイング

ときに受賞者のスピーチが政治に偏り、物議を醸すこともしばしば。1978年に映画『ジュリア』で助演女優賞を獲得したヴァネッサ・レッドグレイヴは、共演者らに感謝を述べた上で、「ここ数週間、あなた方は毅然とした態度を貫き、少数のシオニストのチンピラによる脅しに屈服することを拒否したことを誇りに思うべきだ」と切り出し、(これら少数のシオニストの振る舞いは)「世界中のユダヤ人の地位を貶め、偉大で英雄的であるファシズムや抑圧との戦いの記録を侮辱するものだ」と非難した。チンピラ発言に会場からはどよめきとブーイングが上がった。

反ファシスト活動を理由にナチスに殺害された女性ジュリアを演じたヴァネッサだが、パレスチナの生活やパレスチナ解放機構の活動を描いたドキュメンタリー作品『パレスチナ人』(1977)の制作に関わったことが、強硬派のユダヤ人組織の反発を招き、会場外でヴァネッサの肖像を燃やすなどの抗議活動が行われた。

ドキュメンタリー作品『ボウリング・フォー・コロンバイン』が長編ドキュメンタリー映画賞を獲得したマイケル・ムーア監督は、2003年の授賞式でブッシュ政権のイラク侵攻を非難した。「われわれはフィクションの選挙結果により、架空の大統領が誕生する時代にいる。架空の理由で戦争をしている」、「われわれは戦争反対だ。ブッシュよ、恥を知れ」と述べると、会場のブーイングにさらされた。

エイドリアン・ブロディがハル・ベリーに強引キス

『戦場のピアニスト』で2003年に主演男優賞を受賞したエイドリアン・ブロディだったが、舞台にあがるや否や、プレゼンターのハル・ベリーを抱きしめて唇にキスをした。ハル・ベリーは、2017年に出演したTV番組で、全く予告のない行為だったと明かし、「What the fuck is going on(一体どうなってるのよ)」と思っていたと振り返っている。今ならNGの行為も、当時は騒ぎにならなかったという。

現在アカデミーがYouTubeに公開している動画には、同意のない性的不適切行為だとして非難するコメントが投稿されている。

Mashup Reporter 編集部
Mashup Reporter 編集部です。ニューヨークから耳寄りの情報をお届けします。