米国に入国拒否から一転許可へ。パレスチナ人学生、ハーバード大生活開始

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先月23日、レバノン在住のパレスチナ人のイスマイル・アジャウィ(Ismail Ajjawi)さん(17)が、ハーバード大学に入学するため渡米したところ、空港の入国審査でビザを却下された。しかし、その後入国を許可され、無事に学生生活を開始したことが分かった。学内紙ハーバード・クリムゾン(The Harvard Crimson)が報じた。

米税関・国境警備局(CBP)の広報担当者はCNNに対し「2日、イスマイル・アジャウィさんは、承認されていなかった全ての根拠を解決し、F1ビザ(学生ビザ)で米国への入国を許可された。」と述べた。このケースがどのように解決されたのか、詳細については明らかにされていない。

アジャウィさんの家族は声明で「この10日間、つらく、不安な気持ちでいっぱいでしたが、何千もの方々からいただいた励まし、また(アジャウィさんの奨学金を支給する非営利団体の)AMIDEASTには、本当に感謝しています。」と発表した。さらに、「レバノンやワシントン、マサチューセッツ、ハーバードなど多くの職員や人々の支えにより、息子が学生生活を開始できることに心より感謝申し上げます。」と加えた。

アジャウィさんの代理人は、今回の例について「比類のないハッピーエンディング付きの典型的な悲しい物語だ。」と述べた。

FOXニュースによると、アジャウィさん一家は、レバノンの南西部のティルス(Tyrus)にあるパレスチナ人の難民キャンプに住んでいた。今後アジャウィさんは、ハーバード大学で医学を勉強する予定だという。

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友人のSNS投稿が原因?

アジャウィさんは23日、ボストン・ローガン国際空港(Boston Logan International Airport)の入国審査で、宗教上のしきたりについて尋ねられ、5時間にわたってラップトップや携帯電話などを調査されたという。その後、個室に呼ばれ、友人のソーシャルメディアについて質問を受けた。担当の女性職員が、アジャウィさんの友人による反米的な投稿を確認した後、学生ビザは却下された。

CBPの広報は、却下の判断は、審査の際に発見した情報に基づくとしていたが、具体的な内容については明らかにしていない。

ハーバード大学のクリムゾン新聞(Harvard Crimson)によって、入国拒否が報じられた後、「イスラム教徒禁止のバックドア」だとして多くの非難を浴びていた。

ハーバード大学の広報担当者は、アジャウィさんの件とは別に、ローレンス・バコウ(Lawrence Bacow)学長は7月16日、マイク・ポンペオ(Mike Pompeo)国務長官宛に海外からの学生ビザに関して、懸念を表明する公開書簡を送ったことを明らかにしていた。

トランプ政権では移民政策に関し、厳しい対応を進めている。
ほぼ同時期に、アリゾナ州立大学の中国人留学生9人、ロサンゼルス国際空港で拘束され、入国を拒否されたことが報じられた。