NY地下鉄、物乞いの要求拒否した男性が刺され重傷

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ニューヨーク市の地下鉄の駅構内で13日、76歳の男性が、お金を要求してきた男に刃物で刺され、重傷を負った。

ニューヨーク市警察によると、事件は午後11時半ごろ、エンパイアステートビルに近いヘラルドスクエア駅で起きた。被害者は、観光業を営むイクバル・アフメド氏。Fトレインでブルックリンに帰宅する途中だった。

アフメド氏が駅の階段を降りようとした際、男が上から金を差し出すよう求めた。要求を拒否すると、男は刃物を取り出し、左側の胸部を突き刺したという。アフメド氏は、階段を転げ落ちるようにしてプラットホームにたどりついたが、出血に気づき、近くにいた職員に助けを求めた。

アフメド氏はデイリーニューズの取材に、「言葉を返す機会すらなかった」と振り返った。刺されたのは、心臓からわずか2センチほど離れた場所だったという。病院で手術を受け、現在回復に向かっている。

1970年代にパキスタンからニューヨークに移住したアフメド氏は、「旅行者も恐ろしいだろう」と述べ、このような犯罪は、街にとっても「良くない」と語っている。

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警察は翌日の14日、ディビッド・トロットマン(38)を傷害の容疑で逮捕した。トロットマン容疑者は同日午後2時半ごろ、チェルシーにある23ストリート駅で、乗客の顔面を殴ったとして、タイムズスクエア駅で拘束された。

トロットマン容疑者には、複数の犯罪歴があった。ニューヨークポスト紙によると、先月12日、ウォール街で歩行中の女性の臀部をつかんだとして、強制わいせつ罪で起訴された。ほかにも器物損壊や不法侵入、無賃乗車、窃盗などでの逮捕歴があるという。

あるホームレスの男性は地元テレビ局WABCの取材に、物乞いの人々は、何日も食べ物を口にしていない場合があり、観光客に追い払われたりすると、過剰反応する場合があると説明。そうしたやりとりが「思わぬ事態に発展することもあるだろう」と語っている。

ニューヨーク市の地下鉄での犯罪件数は昨年、2021年に比べ30%増加した。警備を強化するため、1,200名の警官が追加配備され、今年の犯罪件数は4%減少している。