ヘンリー王子による「忠誠心」の要求に側近ら疲労困憊

1266

英国メディアに強い不信感を抱いていたヘンリー王子は、側近の忠誠心を絶え間なく確認していたという。英紙タイムズの王室担当記者バレンタイン・ロー氏がFoxニュースに語った。

ロー氏は先月24日、君主制の存続に貢献した王室顧問らに焦点を当てた著書「廷臣:陰謀、野心、そしてウィンザー家の背後にいる権力者たち」を発売した。

ロー氏は、ヘンリー王子は、側近から報道機関からの「喧嘩は買うな。その価値がない。ささいなことを全て追いかける必要はない」と助言を受けていたが、「報道に不満があれば、それを追求」と考えていたと説明。それらを突き止める熱意のない側近に対して、彼らの忠誠心や、王室を守る一員になれる人物かどうかを疑問視していたと明かした。

ヘンリー王子は、自分の要求に従わない側近に対し、”パレス・シンドローム”(王室化した人物)という言葉を多用したという。メディアに挑戦しないとき、パレス・シンドロームを発症したと判断を下した。チームに対する「私を守ってくれるか?私のために戦わない1人になったのか?」という絶え間ない忠誠心テストが、側近を疲弊困憊さていたと明かした。

ヘンリー王子は「消えることのない鬱憤」を抱えており、最大の不満は、メディアのプール制度「ロイヤル・ロータ」だったという。ロー氏は著書で、ヘンリー王子は、ロータを”カルテル”とみなしており、「自分の人生を惨めに見せ、専門家としての基準を満たさない彼らに、なぜ協力しなければならないのか疑問に感じていた」としている。

Advertisement

ヘンリー王子とメーガン妃は2018年に結婚したが、ロー氏によると、2人が王室での生活に苦労していたのは「見た目にも明らかだった」という。アーチーちゃんと親子3人でアフリカを公式訪問した際、メーガン妃はITVのインタビューで「私に大丈夫かと声をかけてくれる人は、あまりいなかった」と王室内での孤独感を告白した。

番組放送後、ウィリアム王子が、ヘンリー王子に電話をかけ、対面で話そうと持ち掛けたが、個人秘書にそのことを伝えると告げたとたん、ヘンリー王子は面会を断ったという。ロー氏は、ヘンリー王子が「スタッフに不信感を抱き、メディアについてもパラノイアとなっていたので、その時のひどい精神状態について、会って話したくないと思っていた」と語った。

暴露本の長期的な影響は?

ロー氏はFoxニュースに対し、ヘンリー王子とメーガン妃が直面した困難は、メディアの人種差別に根付くものだと思われているが、「それは誤解を招くものだ」と指摘。一部では許されない報道もあったが、少数だったと加えた。

実際は「ヘンリー王子がメディアを毛嫌いし、否定的なもの全てにひどい反応を示しただけと思う」と述べ、「彼はネガティブでない場合でも、マイナス思考で物事を見ることがある。そのため、彼の人生はいつも困難なものとなっている」と主張した。

ロー氏は、回顧録の出版によって、ウィリアム皇太子との関係は「ひどく損なわれた」ものの、君主制への長期的なダメージについては「不明」だとした。

(ダイアナ妃が事故死した)90年代は「ひどい時代だった」振り返りつつ、「君主制の評判に大きな打撃を与えたが、回復した。戦略を持って、教訓を見つめ直し、王室は仕事を続けた」と述べ、今回の暴露などが、長期的な影響を及ぼすとは思わないと語った。

Mashup Reporter 編集部
Mashup Reporter 編集部です。ニューヨークから耳寄りの情報をお届けします。