米首都ワシントンを拠点とする保守派シンクタンク「ヘリテージ財団」は、情報公開法に基づき、ヘンリー王子のビザ申請書を開示するよう政府に求めていたが、裁判所に却下されたことがわかった。同財団は、バイデン政権による「明らかな妨害」と非難している。
ヘンリー王子は1月に発売した回顧録「スペア」で、マリファナやコカイン、アヤワスカなどの薬物を使用した体験を告白している。2016年には、ロサンゼルスにある女優コートニー・コックスの自宅で開かれたパーティーで、マジック・マッシュルームを服用したとも明らかにしている。
こうした告白を巡って、米国滞在の資格に影響が出る可能性も指摘されていた。
米国移民法では「薬物乱用者と判断された」外国人は、「入国を許可しない」との規定があるが、移民局の裁量で免除されるケースもあり、専門家の間でも意見が分かれている。
ヘリテージ財団側は、ヘンリー王子のビザ申請書の開示には「多大な公共の利益」があると主張。米国土安全保障省に公表するよう求めていた。
woman & homeによると、情報開示法は「国民の信頼に影響を及ぼす政府への信頼性に対する疑問が存在し、広範かつ特別なメディアの関心」がある場合、「迅速に処理」される。しかし、裁判所は、財団の訴えは「ニッチ」であり、ヘンリー王子の移住は、それほど重大な関心ごとでないとして、訴えを退けた。
ヘリテージ財団マーガレット・サッチャー自由センターのナイル・ガーディナー所長は声明で「明らかにバイデン政権が妨害し、文書の公開を妨げた」と指摘。「英国メディアの信頼性を損なおうとしており、言語道断」と非難した。
なおメーガン妃とヘンリー王子は今月、ニューヨークを訪問した際、パパラッチと「2時間以上のカーチェイス」を繰り広げ、「あわや大惨事」となりかけたとメディアの報道を非難した。これに対し、警察関係者や市長、ニューヨーカーからは、マンハッタンで2時間のカーチェイスなど「ありえない」と否定する声が上がった。