SNSに流出した政府の機密文書の中に、ロシアのプーチン大統領が抗がん剤療法を受けている可能性が指摘されているという。
先週ニューヨークタイムズが第一報を伝えた流出文書には、ウクライナから中東、中国に至る、米国の国家安全保障上の機密情報が含まれるとされる。事件に関連し、連邦捜査局(FBI)は13日、マサチューセッツ州の州兵のメンバー、ジャック・ティシェイラ(Jack Teixeira)容疑者(21)を逮捕した。
英紙ミラーによると、当該文書には、化学療法に加えて、ロシアの政府高官が、プーチン氏の計画を妨害する策謀をめぐらしていた可能性が示されている。
文書には「TS//SI//REL TO USA, FVEY/FISA」といったコードネームが記されている。これらは通信監視活動によって得られた極秘情報で、適切なセキュリティクリアランスを持つ当局者のみがアクセス可能であることを示すものだという。「FVEY」は米国と英国、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドの諜報機関の同盟を指すという。
同紙によると、文書のある一文は、主語が黒塗りされ、「2月17日、ロシアのプーチン大統領を妨害するためと思われる、いわゆる特別軍事作戦を”放り出す”策略といわれるものを知った」と記されている。
文書では、「クレムリンの高官にアクセスできる身元不明の情報筋から情報を受け取った者」による話とした上で、ロシアが南部戦線に注意を向けさせるために、タガンログからマリウポリに資源を流用していると説明。「”攻勢”の計画は、ロシア国家安全保障会議のニコライ・パトルシェフ書記と参謀総長のヴァレリー・ゲラシモフが、プーチンを妨害するために考案した戦略だと疑われている」と、政府の幹部2人の関与を示唆した。
今年1月に特別軍事作戦の統合軍司令官に就任したゲラシモフ氏は、プーチン氏に、ウクライナ軍がロシアよりも優れ、攻撃を進めれば大きな犠牲を出すことになると警告したともいい、「プーチンが抗がん剤療法をはじめるとされる3月5日までに、彼が特別軍事作戦を投げ出す約束をした」と指摘されている。
プーチン氏の健康悪化説は、侵攻開始以来たびたび浮上している。クレムリン内部に詳しい人物が運営するとされ、タブロイド紙を中心に繰り返し引用されているテレグラムチャンネル「General SVR」は先月、プーチン氏が新たな治療過程に入り、その間、体調は悪化を続けていると主張。「体調が優れず、胃の痛みが再発しており、抑えることができないことがある」と投稿した。