新型コロナのワクチン接種を受ける人は「愚か者」などと主張していたQアノンのインフルエンサーが6日、新型コロナウイルスに感染し、死亡した。
亡くなったのは、サーステン・ウェルドン(Cirsten Weldon)さん。インディペンデントによると、Qアノン運動のリーダー的な存在だった。右派系のSNSで数万人のフォロワーを抱え、ワクチンや行政のウイルス拡散防止策に反対を唱えていた。
米感染症対策トップのアンソニー・ファウチ博士に対して「ロープで吊るされるべき」と発言するなど、過激な言動で知られていた。デイリービーストは、ウェルドンさんが、ワクチン接種の列に並ぶ人々に向かって「ワクチンを打つと死ぬ。受けないで!」と叫び、「愚か者たちは、こんなにも騙されやすい。ワクチンを接種するなんて!」と話す様子を、自らのアカウントに投稿していたと伝えている。
新型コロナの症状を発症したのは、12月下旬だった。27日に配信したライブ動画では、冒頭、「愛国者のみなさん。今日はできそうにない。ごめんなさい。疲れ切っていて、とても弱っている」と体調について話し、「4日間食べていない」と明かしていた。
この3日後にカリフォルニア州カマリロの病院に入院。インスタグラムの最後の投稿では、酸素マスクをつけた自分の写真に「カリフォルニアの病院で、細菌性肺炎で死にそうになっている」とコメントしていた。またテレグラムのチャンネルでは、米政府承認済みの抗ウイルス薬「レムデシビル」を「ファウチのレムデシビル」と呼び、投与を拒否したことも明かしていた。
訃報を受け、仲間のQアノン信奉者らの間で、ウェルドン氏が入院した病院のスタッフに対する脅迫めいた発言が飛び交っているという。
「パトリオット・ストリートファイター」の呼び名で知られる過激なQアノン提唱者、スコット・マッケイ氏は、テレグラムで、病院はイベルメクチンとヒドロクロロキンの投与を拒否したと述べ、ウェルドンさんは殺害されたとの考えを示唆。さらに「これらの医療従事者たちに恐怖を植え付ける」「われわれのニュルンベルク裁判にかける」「軍事法廷で裁かれなければ、ストリートで裁く」など、挑発的な言葉を綴っている。