バイデン氏にプレッシャー、共和党から修正第25条の発動求める声

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大統領TV討論会のパフォーマンスをめぐって、一部の共和党議員からバイデン氏の辞任や解任を求める声が上がった。

The Hillによると、共和党のトム・ティリス上院議員(ノースカロライナ)は、上院共和党会議に提出した書簡で、「もしバイデン氏が理路整然とはっきりと自分の政策を述べることができす、数週間の準備にも関わらずパフォーマンスに適さないのであれば、前任者たちが対峙してきたある種の歴史的で重大な試練である国家安全保障上の危機によってアメリカが真に試された時、どうやって職務を遂行するのだろうか」と懸念を表明。

バイデン氏の衰退は人々が認識していた以上に深刻で、ホワイトハウスは本来あるべき誠実さや透明性を保っていないと批判し、「バイデン氏は自由世界のリーダーとして奉仕を続けるのに適さない。すでに11月の選挙では敗北の見込みだが、2025年1月20日までの間に多くの問題が起きる可能性がある」と、交代の必要性を主張した。

バイデン氏は辞任するべきとする一方で、本人が不適格を自覚しないのであれば、「閣僚が修正第25条の発動を検討すべきだ」と述べた。

1967年に採択された憲法修正第25条では、大統領と副大統領が死亡、辞任、免職または職務遂行が不能に陥った際の権限委譲の手続きを定めている。

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ワシントンポストによると、大統領が辞任した場合、副大統領が大統領になる。ただし同条4項では、大統領が職務不能を認められない、または認めたがらない場合、副大統領と15の行政部の長に発動の権限を与えている。副大統領と各省の長の過半数が、大統領が「権限と義務を果たすことができない」と判断し、下院議長と上院仮議長に書簡でその旨を通告することで、直ちに副大統領に権限が委譲される。この場合、副大統領は大統領代行となる。

第4項では大統領に権限回復の機会を与えており、大統領が異論を唱えた場合、副大統領と閣僚に4日間の検討の猶予が発生する。副大統領と閣僚の過半数が議会役員に職務を遂行できない旨を再び通告した場合、議会の決議に委ねられる。

第4項は一度も適用された事例がない。2021年1月の議事堂襲撃事件を受け、民主党が主導する下院でペンス副大統領に発動を求める決議案が通過したが、ペンス氏は、同条は「処罰や剥奪の方法」ではなく、発動は「悪い先例になる」として反対した

ティリス議員以外にも、マイク・ジョンソン下院議長が閣僚らは修正第25条の発動を検討すべきとの考えを示したほか、チップ・ロイ下院議員(共和党 テキサス)は29日、ハリス副大統領に閣僚を招集してバイデン氏は大統領の職務を遂行できない旨を宣言するよう求める決議案を提出したことを明らかにした