無所属として大統領選に出馬しているロバート・ケネディ・ジュニア氏は以前、医師から脳に寄生虫の死骸があると告げられたという。ニューヨークタイムズが2012年の法的文書をもとに報じた。
2番目の妻の故メアリー・リチャードソン・ケネディ氏との離婚手続きに際して作成された証言録取から明らかになったもので、当時激しい「記憶の喪失」と「メンタル・フォグ」を経験したケネディ氏は、脳腫瘍と診断され手術を予定していた。
しかし、手術の直前になって別の医師から異なる可能性を告げられたという。
タイムズによると、ケネディ氏は宣誓証言の中で、その医師はスキャン画像の異常について「脳に入り込んで、その一部を食べた後に死んだ寄生虫と考えていた」と述べた。また、これとほぼ同時期に危険な重金属を含む魚の食べ過ぎが原因で、水銀中毒と診断されたとも明かしたという。
自身の健康状態について「明らかに認知の問題がある」「短期的な記憶喪失があるが、長期的な記憶喪失もあり、それが私に影響を与えている」と述べたとされている。
第三の候補として存在感を増しつつあるケネディ氏は、タイムズとのインタビューでも詳細を語り、医師らは当時、スキャンに写った嚢胞に寄生虫の死骸が含まれていると結論づけたと明らかにした。
寄生虫の種類や侵入経路については知らなかったとしつつ、南アジアへの渡航中に感染したのではないかとの考えを示したほか、水銀中毒については、食生活が原因であると確信を示し、「私はツナのサンドイッチが大好きで、いつも食べていた」などと語ったという。
これとは別に昨年行われたインタビューでは、声帯の収縮を防ぐために、チタンを埋め込む手術を日本で受けたとも明かしていた。
タイムズの今回の報道を受け、ケネディ氏はXのアカウントを更新し、「脳虫をさらに5匹食べてもトランプ氏とバイデン大統領に討論会で勝利することを提案する」「6匹のハンデでさえ、結果に自信がある」と、両者との討論会を提案した。さらに、これを見たイーロン・マスク氏が、FOXニュースの元看板司会タッカー・カールソン氏とX上での討論を提案すると、快諾する意向を示した。
なお、ケネディ氏の証言内容について、複数の医師はタイムズの取材に、有鉤条虫の幼虫の可能性が高いと見解を示している。
テキサス大学医学部の感染症の医師クリントン・ホワイト氏は、有鉤条虫の幼虫は血流に乗って「あらゆる組織」に到達する可能性があると説明した。ただし、脳を食べたとする考えには懐疑的で、「体内の栄養で生存できる」と答えたという。
一部の有鉤条虫は、問題を起こすことなく人間の脳内で数年間生きることができるが、死ぬ際に炎症を発生させるものもあるという。この場合の一般的な症状には発作や頭痛、めまいがあるという。