共和党全国委員会は、共和党の候補者が有権者に宛てたメールが、Gmailでスパム扱いされる割合が不当に高いとして、連邦連邦選挙委員会(FEC)にグーグルを調査するよう要求した。
ノースカロライナ大学コンピュータ科学部の研究者らは、3月に発表した「2020年大統領選におけるスパムフィルターのアルゴリズム」に関する論文の中で、Gmailでは、「左派候補者のメールの大部分は受信トレイに保持され(スパム扱いは10.12%未満)、右派候補者のメールの大部分はスパムフォルダーに送られた(最大77.2%がスパム扱い)」と指摘した。
共和党全国委員会(RNC)と共和党全国議会委員会(NRSC)、共和党全国議員委員会(NRCC)は、連邦選挙委員会に対して連盟で提出した申し立ての中で、同研究に言及し、「共和党候補者のメールに対する不均衡な抑圧」によって、グーグルは実質的に「バイデン陣営と全国の民主党候補者に違法な企業寄付をした」と主張。「寄付された価値と、連邦選挙資金法に違反している範囲を特定するために、グーグルの活動を調査するべきだ」と要求した。
RNCのロンナ・マクダニエル会長とNRSCのリック・スコット議員兼会長、NRCCのトム・エマー会長は、27日の共同声明で「共和党の資金活動に対する常軌を逸した、意図的な検閲に対する調査を依頼する」とした上で、「シリコン・バレーのテック企業が、自身にとって好ましい極左派の候補者に有利になるように、政治舞台を不当に形成しているという、資金面での破壊的な例だ」と主張。「グーグルのような企業は、あなた方には両方の意見を聞く権利がなく、むしろ彼らが、あなた方のために決定すると考えているのだ」と批判した。
マクダニエル氏らは、Gmailで不当にスパム扱いされたことで、共和党候補者が2020年の選挙期間中に逃した寄付金は15億ドル(1,900億円)にのぼると推定。2019年から総額で20億ドル(2,600億円)を失ったとしている。
グーグル社の広報は、FOXニュースに宛てた声明で「Gmailのメール分類は党派に全く関係がない。両党側から定期的に浮上するこの手の主張の誤りをすでに暴いている」と研究結果を否定。「Gmailのメール分類は、ユーザーの嗜好と行動によって自動的に振り分けられる」と説明した。また、利用者自身が迷惑メールや他のボックスに移動させることができるとした上で、「Gmailは、これらのユーザーの行動に応じて特定のメールの分類を自動的に調節している」と加えた。