ロバート・モラー公聴会証言:ロシアの選挙介入は現在進行系

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下院司法委員会と情報特別委員会では24日、2016年大統領選のロシア介入疑惑の捜査を率いたロバート・モラー元特別検察官の公聴会が行われた。

2017年5月に特別検察官に任命されたモラー氏は、22ヶ月間の捜査の末、今年3月に捜査をまとめたレポートを司法省に提出した。

レポートはロシアの大統領選介入やトランプ陣営との共謀、大統領による司法妨害の2部にわかれ、モラー氏は共謀については証拠不十分と結論づける一方で、司法妨害については、複数の事例を検討しつつも、現職の大統領は起訴できないとする司法省の見解を理由に、起訴するべきかどうかの判断を見送った。

モラー氏は、5月の会見で、レポートの内容を超えて、議会に提供する情報はないと述べていた。開催の声明で、改めてレポート以上の回答はしないことを強調したモラー氏は、議員らの質問に対して、「Yes」や「True」など端的な回答が目立ったほか、回答を拒否する場面も多くみられた。

– 公聴会ハイライト –

容疑は晴れていない

モラー氏はレポートで、大統領による司法妨害について「大統領が犯罪をしたことを結論づけないが、容疑を晴らすものではない」としたが、トランプ大統領は複数回にわたって潔白が証明されたことを強調してきた。

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司法委員会のジェロルド・ナドラー委員長(民主党)が「完全に大統領の容疑は晴らされたのか」と聞かれると、モラー氏は「いいえ」と端的に回答。

捜査で明らかとなった事実が何を意味するのかと問われると、「大統領が犯した行いによって、潔白は証明されていないということを示唆している」と述べた。

大統領退任後に訴追の可能性

ケン・バック議員(共和党)に「ホワイトハウスを去った後に、大統領を司法妨害で訴追できると考えているのか」と聞かれると、モラー氏は「はい」と答え、可能性を排除しなかった。

共和党は捜査の正当性を攻撃

共和党議員は、捜査の発端や捜査チームのバイアスなど、捜査の正当性に関する質問に集中した。質疑では、ロシアの選挙介入とともに、トランプ氏のビジネスや個人生活に関するスキャンダラスな内容を含んだスティール文書が度々取り上げられた。スティール文書は、フュージョンGPSの依頼で、ロシアとトランプ陣営のつながりについて元英国情報部員のクリストファー・スティール氏がまとめた資料。選挙のために作成されたもので、民主党やヒラリー・クリントン氏が一部を出資したとされる。このことから、トランプ大統領と一部の共和党議員らは資料をいんちきであると非難。さらに捜査令状の取得に使用されたことから、ロシア捜査そのものの正当性を攻撃する材料となっている。

また、捜査チームの一員だったピーター・ストロック氏についても度々触れられた。ストロック氏は選挙期間中、当時不倫関係にあったとされるFBI弁護士リサ・ペイジ氏と交わしたテキストの中で、トランプ氏に批判的な発言を行なっていた。テキストが明るみに出た後、ストロック氏はロシア捜査チームから外された。

ルイー・ゴーマート議員(共和党)は、トランプ大統領によって解任されたジェイムズ・コミー元FBI長官とモラー氏が友人関係にあったことや、チームのバイアスについて批判した。さらに、共謀の事実がないにも関わらず、反感をもった捜査官らに対峙するトランプ大統領の行為は司法妨害ではなく、正義を追求したのだと主張。時間の多くを非難に費やす議員に対し、モラー氏は「質問をお受けします」と発言。失笑がもれる場面があった。

トランプ氏のウィキリークス歓迎は問題外

マイク・クイグリー議員(民主党)が、トランプ氏が選挙期間中に度々、ウィキリークスの情報漏洩を歓迎する姿勢を示したことについてコメントを求めると、「”問題”という言葉どころではない。…違法行為であるべきだ」と語った。

トランプ大統領は選挙期間中、ウィキリークスを「ウィキリークスが好きだ」「ウィキリークスは宝の山のようだ」などと話していた。NBCによると、選挙の最終月ウィキリークスに言及した回数は145回におよぶ。

また、ウィキリークスと長男のドナルド・トランプ・ジュニア氏が関係し、クリントン陣営に不利となる情報を広める助けを求めた件について聞かれると、「憂慮すべき行いで、調査対象とするべきだ」と述べた。

ロシアの選挙介入は現在進行形

ウィル・ハード議員(共和党)から、今後のロシアによる選挙介入の可能性について聞かれると、モラー氏は「たった一度のこころみではない。今、我々がこうしている間も行なっている。次期大統領選でも行うことが予想される」と語った。

また「より多くの国が、ロシアがしたことを再現する能力を開発している。」と脅威の高まりを強調。選挙介入に対応するために、政府機関がより連携することが重要だと語った。

Mashup Reporter 編集部
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