16日、CNNのインタビューに出演したトランプ大統領の顧問弁護士 ルディ・ジュリアーニ氏(Rudy Giuliani)元ニューヨーク市長は、「トランプ陣営、またはスタッフとロシアの間で共謀がなかったとは言っていない」と発言。共謀の存在の可能性を否定せず、これまでの大統領の主張と食い違いを見せた。
先週、元選挙対策本部長のポール・マナフォート氏の裁判資料から、マナフォート氏がロシア諜報機関との関係が疑われる人物と2016年大統領選の投票データを共有していたことが判明。このことから、司会のクリス・クオモ氏が、共謀を否定するこれまでの発言について問いただした。
ジュリアーニ氏は、スタッフの関与については「わからない」と述べる一方、「アメリカ大統領が、DNCのサーバーをハックするためにロシアと共謀するなどという犯罪を示す証拠はこれっぽちもない」「どんな形式であれ、大統領はロシアと共謀していない。」と、大統領個人の関与がなかったことを強調した。
さらに、「彼(大統領)は誰も(共謀していない)とは言っていない。陣営の誰もやっていないなんて、どうやったらわかるんだ?」と反論した。
しかし、選挙の正当性を否定されたくないトランプ大統領は、これまで度々、選挙陣営とロシアの共謀を全面的に否定している。
ジュリアーニ氏自身も過去、陣営とロシアの間の共謀を否定している。
ロシアの2016年大統領選介入の捜査をすすめるロバートモラー特別検察官はこれまで、DNC(民主党 全国委員会)のサーバーのハッキングに関わったとして、ロシア側情報機関の職員12人を起訴したほか、ポールマナフォート氏などの選挙陣営メンバー、トランプ氏の元顧問弁護士 マイケル・コーエン氏を起訴した。捜査は終わりが近いとみられ、まもなくレポートが議会に提出される可能性が取りざたされている。
マナフォート氏は、昨年8月、脱税や銀行詐欺などの罪で有罪となり、2月8日から刑に服する。
ジュリアーニ氏はインタビューで、マナフォート氏の投票データの提供については、「投票データはみんなに与えられた」と述べるなど、共謀にあたらないとする見解を述べた。