ウクライナ東・南部でロシア軍の劣勢が連日のように報じられるなか、ロシア国内で常軌を逸した議論が公然と行われているとして、話題になった。
注目を集めたのは米ニュースサイト「デイリービースト」のコラムニスト、ジュリア・デイビス氏が共有した国営テレビの討論番組の一幕。ロシア連邦国家院のアンドレイ・グルリョフ議員が、民間人を飢えさせて、国外脱出を余儀なくすればよいと主張している。
グルリョフ氏は、ロシア軍がウクライナの複数都市で展開した民間インフラを狙った攻撃を「効果的」と称賛。「電気がないということは、水がないということだ。冷蔵庫も下水も使えない。伝染病の恐れもある」と説明し、重要なインフラに対する、より精密で継続的な攻撃が必要と語った。
敵はウクライナ軍であって、なぜ民間人の電気や水を奪う必要があるのか聞かれると、「水や下水がなくなれば、難民が西側国境に押し寄せる。生き残ることができないからだ」と主張。「暖房や水、下水、電気がなければ、料理もできず、食料を保管することもできない」と話し、「何も機能しない国には、誰も住まない」「国の崩壊だ」などと続けた。
議論を見守っていた司会のオルガ・スカベーエワ氏は「他の選択肢はない」と賛同を示した。
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この動画について、元米国駐ロシア大使のマイケル・マクフォール氏はツイッターで一言、「ますますクレイジーになっている」とコメントした。
ウクライナのゼレンスキー大統領は18日、過去8日間で30%の発電所が破壊され、国中で大規模な停電が発生したとし、ロシアと「交渉の余地はない」と言明している。