ロシアのイタズラ電話にイタリア首相、ウクライナ疲れを吐露

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イタリアのメローニ首相が、ロシアのコメディアン二人組のいたずら電話に引っかかり、ウクライナ疲れが生じていると吐露していたことがわかった。

英紙テレグラフによると、通話がなされたのは9月18日。メローニ首相は、アフリカの外交官を名乗る相手から、ロシアとウクライナの戦争がどれくらい続くかと聞かれ、「正直に言うと、双方にかなりの疲労が見られる」と述べ、「みんなが出口が必要だと悟る瞬間が近づいている」と語った。「国際法に違反することなく双方にとって許容できる」出口を見出せるかが問題と加えた。

会話は15分にわたり、その中でメローニ氏は、イタリアは今年12万人のアフリカ移民を受け入れているのに他のEU諸国は気にかけていないと不満を漏らしたともいう。

なりすまし電話をしたのは、「ヴォヴァとレクサス」の愛称で知られるウラジーミル・クズネツォフとアレクセイ・ストリャロフ。著名人や外国の要人をはめることで知られ、これまで歌手のエルトン・ジョン、ジョージ・W・ブッシュ元大統領、ハリス副大統領、ボリス・ジョンソン元英首相、ヘンリー王子も標的とされた。 2020年にはスウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリと偽り、カナダのトルドー首相と10分間にわたって通話した。

メローニ首相の事務所は、テレグラフに対して会話の録音が本物であることを認め、「首相は騙されたことを後悔している」と話したという。

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ロシアとの戦闘の長期化、最近のイスラエルとハマスの戦争突入を受け、ウクライナは、米国の支援を確実にするためのロビー活動を強化している。

ポリティコによると、ウクライナの当局者と軍、顧問からなる代表団は先週、首都ワシントンを訪れて政府の要望を共有した。

要望には、米海兵隊による訓練、新たな防空システム、先月バイデン氏が提供の方針を伝えたことが明らかになった長距離ミサイルシステム「ATACMS」の「長射程かつ単一弾頭のバージョン」が含まれたという。