サンフランシスコ・ジャイアンツの元スター、バスター・ポージー氏は、大谷翔平選手がジャイアンツとの契約を避けたのは、現地の治安も原因の一つとの見解を示した。
大谷はロサンゼルス・ロジャースと10年間7億ドル(約1,015億円)の契約を締結したが、同じナ・リーグ西地区のジャイアンツも高い興味を示しており、同等の条件を提示していたと伝えられている。
これまで3度ワールドシリーズに優勝、7度オールスターゲームに選出されたポージー氏は、オーナーの一員として、チェアマンのグレッグ・ジョンソン氏やボブ・メルビン監督らとともに、大谷との交渉の場に同席した。
ポージー氏はThe Athleticとのインタビューで、大谷本人は治安について直接言及しなかったが、陣営側には市の状況に対する「若干のためらいがあった」と明かした。
同氏は大谷に限らず、サンフランシスコでは犯罪と麻薬が蔓延しているという「感覚」が、フリーエージェントの獲得に影響を与えている可能性を示唆。市に対する「多少の不安は、選手だけでなく、妻からでさえ出てくる」と述べ、「残念ながら、特筆すべきこと」と語った。
サンフランシスコでは、ホームレスや薬物中毒者の問題に加え、街に転がる人糞が増加するなど公衆衛生の問題にも直面している。
ポージー氏は犯罪に関する「感覚は現実のもの」と強調し、スター選手の移籍に影響を及ぼしているのを「目の当たりにしてきた」と振り返った。
編成の責任者ファルハーン・ザイディ氏は昨年、サンフランシスコクロニクル紙に対し、同地でプレーしたいというのは「選手の間でも意見が分かれる」と語っていた。フリーエージェントに関する調査を実施したところ、3連戦で遠征することでさえも「ハッピーではない」と感じてことがわかったという。「ましてや、ここで長期間プレーすることにワクワクしたりしないだろう」と述べるなど、「独特な市場といえる傾向」が20年前と比べ、いっそう強まっていると語っていた。
人材の確保に苦労していると明かしたジャイアンツだが今回、韓国リーグのプロ野球選手、李政厚(イ・ジョンフ)と6年1億130万ドルで契約した。