米上院では26日、アレクサンドリア・オカシオ・コルテス下院議員とエドワード・マーキー上院議員が2月に提出した決議案、グリーン・ニュー・ディールの手続き投票を実施し、0-57で否決した。
グリーン・ニュー・ディール(GND)は、気候変動への対処と貧困や低賃金などの経済問題を同時に解消しようとするもので、温室効果ガス排出ネットゼロの達成や雇用創出、全国民への経済保証などの目標を掲げている。
共和党のミッチ・マコーネル上院院内総務は、グリーンニューディール決議案が提出された5日後に、上院で採決にかける意向を示していた。
採決では、共和党議員に加え、民主党のジョー・マンチン(Joe Manchin)議員(ウェストバージニア州)、カイルステン・シネマ(Kyrsten Sinema)議員(アリゾナ州)、ダグ・ジョーンズ(Doug Jones )議員(アラバマ州)、さらに無所属のアンガス・キング(Angus King)議員(メイン州)が反対に回った。その他、43名の民主党議員は、定足数にカウントされるが賛否を示さない「出席」票を投じた。
共和党にとって採決は、民主党各議員の姿勢を鮮明にさせ、党内の分断をはかろうとする狙いがあるとみられ、マコーネル議員は同日「アメリカ国民は、どの上院議員が常識的な行いをすることができ、この破壊的な社会主義者の白日夢に”ノー”を投じることができるか見ることになるだろう」とツイートした。
一方、チャック・シューマー議員ら民主党議員は、採決を「いんちき」だと述べ、気候変動危機を政治スタントに利用していると、共和党を非難した。
決議案の共同提案者であり、2020年大統領選の民主党予備選へ出馬を表明しているバーニー・サンダース議員(無所属 バーモント州)は記者団に「科学者が、地球に取り返しのつかない損害となるまで12年間しかないと述べている時に、政治ゲームに終始するリーダーがいるというのは信じられないことだ」と語った。