ニューヨーク市警察の発表によると、5月の発砲事件や公共交通機関での犯罪が、昨年に比べ大幅に増加したことが分かった。
発砲は173件で、昨年5月の100件から73%増。暴行事件は1,643件から1,979件で20%増。地下鉄での犯罪は87件から168件に増えた。殺人は37件で、昨年と同数だった。全体の犯罪件数は22%増加した。
- 犯罪件数:22%増
- 発砲事件:73%増
- 公共交通機関の犯罪:93%増
- 強盗:46.7%増
- 窃盗罪:35.6%増
観光客の多いタイムズスクエアで5月8日、口論が発砲事件に発展し、流れ弾でその場に居合わせた3人が負傷した。メモリアルデーの31日には、6時間で12人が銃弾で負傷。15歳の少年が死亡した。
デブラシオ市長は4月、銃暴力を撲滅するための取り組み「Safe Summer NYC」を発表。コミュニティへの投資や警察官を増員するほか、法廷システムを改善する計画を明らかにしている。
ヘイトクライムでは、今年1月から5月31日までに報告されたアジア人に対する犯罪が87件で、昨年同時期の20件から335%増加した。 LGBTQに対するヘイトクライムは23件で188%増。ユダヤ人に対するものは86件で37%増加した。
今週、チャイナタウンで起きたアジア人女性殴打事件では、容疑者の男に17回以上の逮捕歴があることがわかった。ニューヨーク市警察のダーモット・シェイ警察委員長は、容疑者の共通項として、逮捕と釈放を繰り返しており、中には精神疾患を抱える人が紛れ込んでいる可能性があると説明。逮捕者を再び街に戻すのは「馬鹿げている」と述べるなど、2020年に改正された刑事司法制度を批判している。