電子投票システム企業のスマートマティック(Smartmatic)は14日、Foxニュースとニューズマックス、ワンアメリカネットワークに対し、大統領選に関する「虚偽かつ名誉を毀損する」報道の撤回を求める法的通知を行なったと発表した。
同社は、ドミニオン社と並んで、バイデン氏の勝利を覆そうとするトランプ弁護団や支持者による攻撃の対象となっている。通告書はルディ・ジュリアーニ氏とシドニー・パウエル氏にも送付されたという。
Foxニュース宛の書簡では、同社の法律顧問は「Foxニュースはスマートマティックに対する組織的な偽情報キャンペーンを行なった」と批判。同社が「ウゴ・チャベスによって設立され、ソフトウエアが選挙を調節するようデザインされ、他社と共謀して米国民に詐欺を働き、票を変更、かさ増し、消去することで2020年選挙を調節した」といった主張を何百万人の視聴者に放送したと述べた。
また「陰謀論」の中心となった地域の投票に関わりがないにも関わらず、Foxは番組アンカーとルディ・ジュリアーニ氏、シドニー・パウエル氏を使って、虚偽を拡散していると指摘した。
2020年選挙では、ロサンゼルス郡に技術やソフトウエアを提供したが、集計に関わる不規則生は報告されていないとしている。
文書では、番組アンカーやジュリアーニ氏、パウエル氏による70以上の発言を挙げた上で、スマートマティックに関する報道は信義則に基づかず、「虚偽の名誉を損なう発言」に関する、信頼に足る文書化されたソースはないと指摘。偽情報キャンエペーンが与えた損害は「数十億ドルではなくとも、数百万ドル」に上り、過去20年間に築き上げた信頼に関わる評判を傷つけたと述べた。
AP通信によると、スマートマティックのアントニオ・ムヒカ最高経営責任者は、参入を試みていたコロンビアの選挙当局者と話を進めていたが、虚偽報道の直後に、話し合いが行き詰まったと述べているという。
法律顧問はさらに、偽情報キャンペーンによって、世界中の従業員が殺害予告や暴力の脅迫を受けるなど、経済的危害を超えた危険をもたらしていると説明。役員らの子供が脅迫を受けるなど、危害は家族にまで及んでいると被害を訴えた。
2020年選挙について、サイバーセキュリティー・インフラセキュリティー庁(CISA)は、投票システムによる票の削除や改ざん、不正アクセスはなかったと結論づけた。またウィリアム・バー司法長官は今月初め、大統領選で広範囲にわたり不正投票が行われたことを示す証拠は見つかっていないと表明している。
トランプ弁護団や支持者らは、投票システムによってトランプ氏の票が大量に奪われたと誤った主張を続けている。先週、Foxビジネスのルー・ ドブス氏の番組に出演したシドニー・パウエル氏は、ムヒカ氏などの名を挙げつつ、米国の選挙が「サイバー真珠湾攻撃」を受けたと過激な発言をしていた。