脳の老化を促進する要因についての研究で、マリファナの乱用は、平均で約2.8歳、脳の老化を早めるという結果が発表された。
研究は、アーメン・クリニック(Amen Clinics)や、グーグル(Google)、ジョーンズ・ホプキンス大学(John’s Hopkins University)、カリフォルニア大学(University of California)らの研究者が、生後9ヶ月の幼児から105歳の31,227人を対象に行われた。
休息した状態と集中した状態で、SPECT(単光子放出コンピューター断層)で撮影した62,454の脳画像を分析。脳の128の領域の血流を分析し、各個人の年齢を特定した。その人の実年齢が特定されると、促進する老化率を測定することができるという。
研究結果では、脳の疾病や日常行為が、脳の老化を促進するとしている。統合失調症の場合は約4歳、通常の人よりも老化が早くなり、マリファナの乱用は2.8歳、双極性障害は1.6歳、ADHD(注意欠陥過活動性障害)は1.4歳、アルコール依存症の場合は0.6歳という結果が出た。
今回研究を行った著者のダニエル・アーメン(Dr. Daniel Amen)博士は、「脳を早期に老化させる、一般的な疾病や行為を追跡することができた。」とし、「疾病に対して、より良い治療が施されると、脳の老化の進行を遅らせたり、停止することも可能だ。」と今後の期待を述べた。
マリファナの乱用に関する研究結果に関しては、「マリファナは無害な物質だと思われる風潮がある。今回の結果はそれを一考させるものだ。」とその重要性について述べた。
テキサス大学のジョージ・ペリー(Dr. George Perry)博士は、研究結果に関して「初めて実施された、集団に基づく脳撮像研究の一つだ。これらの大規模な研究は、老化の過程で、脳の構造と機能がどのように維持されるのかに対する回答を得るために、必要不可欠だ。」とし、認知機能の維持に関する研究に役立つと述べた。
共同研究者であるグーグル社のSachit Egan氏は「脳が生涯に渡り、どう機能するかを理解するのに役立つ」とし、「研究結果は、脳血流のパターンに基づき、個人の年齢を予測できることを示している」と成果を述べた。また、「一般的な精神障害が、健康な脳血流にどう影響を及ぼすかについて、さらに研究を進めるための、基礎研究が実施された」と述べた。
研究結果の詳細は、ジャーナル・オブ・アルツハイマーズ・ディジーズ(Journal of Alzheimer’s Disease)にて公開されている。
マリファナ関連記事
方針の導入により、マンハッタンにおけるマリファナ所持及び使用に関する起訴件数は96%減少する。
ニューヨーク州保健局は「州がマリファナ市場を管理規制することによる効果は、潜在的なマイナスの影響を上回る」と結論。
所持や使用により、逮捕される人種に不平等が見られ、米国の基礎でもある機会平等や公平性という原理原則を損なうと主張。
ニューヨークは、年間77.44トンのマリファナを消費