今年のトニー賞で、ベストミュージカル賞を含む12部門にノミネートされたブロードウェイミュージカル「スポンジボブ・スクエアパンツ」(SpongeBob SquarePants)が、9月16日で閉幕する。リードプロデューサーであるニッケルオデオン(Nickelodeon)は、2019年秋に北米ツアーを開始すると発表した。
閉幕の理由は、9月中旬より開始される築105年のパレスシアター(Palace Theatre)のリノベーションによる劇場の一時的な閉鎖とされている。
ニューヨークタイムズなどのによると、証券取引委員会に提出された報告書では、1,835万ドル(約20億円)の資金が募られたが、週のチケット販売総額が70%以下と想定されており、リクープが難しい状態だという。
スポンジボブは、シカゴでトライアウト公演を行った後、11月6日よりプレビュー、12月4月にオープニングを迎えた。
評判に関しては「ダダイズム的なコミックの感覚や、巧妙なデザイン、才能溢れる26歳のイーサン・スレーター(Ethan Slater)の演技に観客は驚かされた。」とハリウッドレポーターが述べるなど、多くの批評家から高評価を得た。ニューヨークタイムズは、大いに笑えるが、ビキニタウンに慣れていない観客は、忍耐を強いられることもあるだろうと述べている。
今年開催された第72回トニー賞では、ベストミュージカル部門を含む最多12部門にノミネートされた。しかし、2007年公開のイスラエル映画「迷子の警察音楽隊」をベースとした「バンズ・ヴィジット」(The Band’s Visit)が、ミュージカル作品賞ほか、主演男優賞、主演女優賞など10部門を独占した。スポンジボブは、David Zinnによるscenic design1部門のみという結果に終わっている。
ミュージカルは、12月にブロードウェイでオープニングを迎え、29回のプレビューと327回のレギュラー公演で幕を閉じることとなる。