スリランカで21日発生した連続爆発テロ事件発生直後、スリランカ政府は国内のフェイスブックなどのソーシャルメディアを一時遮断したことを明らかにした。
BBCによると、教会やホテルなど8箇所で発生した爆発事件では、少なくとも290人以上が死亡、500人以上が負傷。これまでに24人が拘束された。
ニューヨークタイムズによると、ハリンダラ・バッサナヤケ(Harindra Dassanayake)大統領顧問は「ヘイトスピーチや攻撃に関する誤情報が拡散され、より多くの暴力を引き起こすことを懸念した」とし、SNS遮断は政府による「独断の決定」だったとしている。
スリランカ政府は、先年もフェイスブック上で拡散された噂がイスラム教徒への暴力を誘発したとして、SNSを一時遮断している。
インターネットをモニターする団体NetBlocksによると、ユーチューブ(YouTube)、インスタグラム(Instagram)、スナップチャット(Snapchat)、メッセージアプリのワッツアップ(WhatsApp)やバイバー(Viber)なども遮断されていたことが明らかとなった。
ソーシャルメディアに問われる責任
国際ジャーナリズムとデジタル擁護者、グローバルボイス(Global Voices)のエグゼクティブ・ディレクター、イヴァン・シーガル(Ivan Sigal)氏は、「数年前は、ソーシャルメディアの遮断は、法外な検閲とみなしていた。今では、我々は脅威から自身を守るための、必要不可欠な注意義務だと考える。」とツイッターで述べた。
ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(University College London)の学者、ケイト・クローニン・ファーマン(Kate Cronin-Furman)氏は「スリランカの人々の間で、ソーシャルネットワークは主要なコミュニケーションツールとなっている。事件に巻き込まれた際、遮断によって、家族との連絡が取れなくなる恐れがある」とタイムズに述べた。
「少数派の活動家は、政府がセキュリティー上の事件の際、コミュニケーション手段を遮断した先例を作ったことを危惧している。」と加えた。
先月ニュージーランドのクライストチャーチで発生した銃乱射事件では、銃撃犯はSNSでの拡散を目的としており、犯行の様子をストリーミングライブ中継していた。CNNによると、同社はニュージーランド警察の警告を受けるまで、動画を消去しなかったことで多くの批判を浴びた。
15日に発生したパリのノートルダム大聖堂火災では、クリストファー・ヘイル(Christopher J. Hale)氏のツイートがオルト・ライトメディアなどによって拡散され、火災が意図的に仕組まれたものだという誤情報が拡散された。