米スターバックスは、5月29日の午後、自社が運営する全米の約8,000店舗を閉鎖し、約17万5千人の従業員を対象に研修を実施する。研修は、4月のフィラデルフィアで起きた黒人逮捕事件をきっかけに計画されたもので、人種偏見に関する内容となる。
スターバックスの発表によると、初回は人種偏見とアメリカの公共施設における人種差別の歴史の理解に焦点が当てられる。店舗には研修ツールが配布され、小グループ単位で、ディスカッションを交えながらビデオやノートを使って進行する。
ビデオでは、ケビン・ジョンソン(Kevin Johnson)最高経営責任者や、ラッパーで活動家のコモン(Common)氏が自己理解を助けるガイド役として登場する他、ハワード・シュルツ(Howard Schultz)会長がサード・プレイスの重要性やその起源、未来の夢について語る。また、黒人映画監督のスタンリー・ネルソン(Stanley Nelson)氏による新たなドキュメンタリー作品「You’re Welcome」が使用される。
カリキュラムの開発には、イコール・ジャスティス・イニシアチブ創設者のブライアン・スティーブンソン(Bryan Stevenson)氏、NAACP法的防御基金代表のシェリリン・アイフィル氏(Sherrilyn Ifill)、Demos代表のヘザー・マッギー氏らがアドバイザーとして参加している。
同社USリテール部門、エグゼクティブ・バイスプレジデントのロザン・ウイリアムズ(Rossann Williams)氏は、「バイアスと、それが私たちの生活や出会う人々にどのように影響するのかを理解するよう自分達自身を教育する」と研修の内容に触れ、「人々にとって安全で、すべての人々を温かく迎えるサード・プレイスを創造するというコミットメントを新たにする」と目的を語った。
なお、スターバックスは、他の会社や組織、個人にも、今回の研修カリキュラムやコンテンツ、スタンリーネルソン監督の作品をシェアすると発表している。