19日、午前6時40分ごろ、フラットアイアン地区の5番街でスチームパイプ(蒸気管)が爆発し、道路が陥没する事故が発生した。破裂したパイプは5番街の20丁目と21丁目の間(住所:141 5th Ave)付近にあり、86年前のものだという。ニューヨーク市消防局(FDNY)のダニエル・ナイグロ(Daniel Nigro)総監は、現場にかけつけた警察や、スチームパイプの管理運営を行うコン・エジソン(Con Edison)の職員ら、計5人が軽傷を負い、病院に搬送されたと発表を行った。
その場に居合わせた人は、ビルが揺れるほどの大きな爆発だったとWABC-TVに語っている。爆発後、周辺はすぐに封鎖された。
アスベストの懸念も浮上
パイプにはアスベスト材が使用されていたため、爆発による破片と共に、すぐに検査が行われた。午後の記者会見で、ビル・デブラシオ(Bill de Blasio)ニューヨーク市長は、蒸気や爆発した破片にアスベストが含まれていたことが確認されたと発表。
19丁目から23丁目付近には、合計49棟の建物が存在する。エアコンディショナーなどを通じ、建物にアスベストが侵入していないかを調査するため、安全性が確認できるまで、2、3日の間立ち入りを禁じた。住民らのホテル代は、コン・エジソンが負担するという。事故の原因については調査中としている。
ニューヨーク市では、約2,000棟の建物を冷却したり、暖房を入れたりするため、約160km以上にわたり、地下にスチームパイプを埋め込んでいる。これらの蒸気は、病院の医療器具を殺菌したり、ドライクリーニングの際に、服のプレスなどにも使用されている。
これらのパイプが爆発することは、稀なことではないという。ニューヨークタイムズによると、2007年7月、夕方の通勤時間帯にマンハッタンでパイプが爆発し、1人死亡、数十人が負傷する事故が発生。1998年には、今日の事故現場から2ブロック先で、水道管の破裂によるシンクホールで火災が発生した。1989年8月には、グラマシーパークで、スチームパイプから蒸気や破片が吹き出し、コンエジソンの職員を含む3人が死亡している。