ロックダウン、マスク着用、ワクチン義務化などの規制を巡る見解の相違が、様々な「分断」を生んだ新型コロナウイルス。あの音楽界の重鎮2人の関係にも亀裂を生むかも?
10月末からラスベガスでのレジデントショーを控えるとともに、11月に新アルバム『The Bridge』のリリースを予定しているスティング(69)は、ロサンゼルスタイムズのインタビューで「ショーが始まるまでに、ワクチンが効果を発揮することを願ってる。ワクチンをとても支持しているんだ」と期待を語った。
理由について、「ポリオを知っている世代だから」と述べ、ワクチンの開発で、ポリオで手足が麻痺した子供たちを、すぐに街で見かけなくなったと説明。「だから、効果を疑うような人々とは関わらないんだ」と語った。
一方、ロックレジェンド、エリック・クラプトン(76)は、これと大きく異なる見解を示している。
ローリングストーンは5月、クラプトンが反ロックダウンの活動家に送った手紙で、ワクチンを接種後の「悲惨」な体験を打ち明け、ワクチンの安全性を誇張した「プロパガンダ」と非難したと報じた。
クラプトンは「アストラゼネカの1回目の注射を受けたが、すぐにひどい反応が出て、10日間も続いた」と説明。さらに2回目の反応は「悲惨で、手足が硬直して、しびれたりほてったりして、2週間も役に立たなかった。二度と演奏ができなくなるのではと心配した」と明かし、「でもプロパガンダは、ワクチンはみんなにとって安全だと言っていたんだ」と非難した。
また、反ロックダウンのデズモンド・スウェイン下院議員(保守党)のような「英雄」や同様の意見を持ったYouTubeチャンネルを発見したなどと綴るとともに、昨年12月にヴァン・モリソンが発表した反ロックダウンを歌った楽曲「Stand and Deliver」に参加した件に触れ「彼の歌詞を歌っていたが、共感していた」などと述べた。
7月には、英政府が9月末までにナイトクラブでワクチンパスポートの提示を義務づけると発表すると、声明で観客を差別するいかなるステージでも演奏しないと宣言した。さらに先週、反コロナ規制を歌ったとみられる楽曲「This Has Gotta Stop(止めなければならない)」を発表した。
歌詞はロックダウンやワクチンについて直接触れていないが「もうこんなデタラメにつきあっちゃいられない。行きすぎだ」「間違っているっているのはわかってる。命じられた時から、手が動かない、汗が吹き出てる」などと歌っている。
先のインタビューで、スティングは、クラプトンやモリソンなどの仲間との見解の相違について聞かれると「われわれには意見を述べる権利がある」と述べつつ、「しかし、人々にワクチンを信頼するなと言うのは危険だと思う」と警告。「この考えがどこからやってきてるのか。科学に基づいているとは思えない」と話した。