マサチューセッツ州で1日、14歳の高校生が激辛チップスを食べた後、体調が悪化し死亡した。
地元テレビ局NBC10ボストンによると、亡くなったのは、ウースター高校に通うハリス・ウォルバー(Harris Wolobah)さん。
母親は、ウォルバーさんは学校で、スナックブランドPaqui(パキ)社の激辛スパイス入りチップスを食べた後、腹痛を起こしたと説明。家族が迎えに行き、帰宅した。いったん回復したが、午後4時半ごろ、兄弟が意識を失っているのを発見した。ウォルバーさんはこの日、バスケットボールの入団テストを受けるため、外出する予定だったという。
搬送先の病院で死亡した。死因については、現在調査中と伝えらている。
遺族によると、アレルギーはなく、健康な少年だったという。母親は、ウォルバーさんはチップスの香辛料による合併症だと主張している。
ワン・チップ・チャレンジとは
ワン・チップ・チャレンジは、パキ社の激辛チップス「One Chip Challenge」を食べた後、飲み物などを飲まずに、どれだけ我慢できるか忍耐力を試すもの。同社自らが、チャレンジをプロモーションしていた。
ドクロが描かれた棺形のパッケージには、香辛料がたっぷりついたトルティーヤ・チップス1枚が入っている。amazon.comでは15ドル前後で販売さえている。
辛さの度合いを示す「スコヴィル辛味単位(SHU)」については不明だが、同社のホームページによると、発売中の「2023 One Chip Challenge」には、「現在入手できる中で最も辛い唐辛子2種類、キャロライナ・リーパー(170万SHU)とナガ・バイパー(約140万SHU)」が含まれている。
アレルギーの有無について、FDAが指定する上位9つのアレルゲン(ピーナッツや木の実、牛乳、卵、小麦、魚、甲殻類、大豆、胡麻)は含まれていない。
パッケージの警告ラベルには、「成人用」と書かれており、「子どもの手の届かない所に保管」するよう記載されている。
また、香辛料に敏感な人や妊婦、持病のある人は摂取しないよう警告しており、食べた後に「呼吸困難、失神、吐き気が続く」場合は、医師の診察を受けるよう求めている。
チャレンジは数年前から流行しており、TikTokなどのSNSには、あまりの辛さに涙を流す人や、香辛料で真っ青になった舌を見せる人の動画が多数投稿されている。
カリフォルニア州のベイエリアにある学校では昨年、激辛チップスを食べた後、嘔吐するなど体調が悪化した生徒がいるとして、保護者に注意を促していたという。
テキサス州に本部を置くパキ社は同年、NBCの番組TODAYに対し、安全性について真剣に受け止めていると述べ、アレルギーや安全性に関する情報を「適切かつ明確にラベルに記載するよう懸命に取り組んでいる」と語っていた。