ワーナーメディア(WarnerMedia)は17日、新サブスクリプションサービス「HBO マックス」(HBO Max)で、スタジオジブリ(Studio Ghibli)作品を2020年より独占配信すると発表した。
アカデミー賞の長編アニメ賞を受賞した『千と千尋の神隠し』や『となりのトトロ』、『もののけ姫』、『天空の城ラピュタ』、『魔女の宅急便』など全21作品が対象となる。北米でジブリ作品がストリーミング配信されるのは、今回が初めて。
数日前にpolygon.comは、配給元のGKidsが、ジブリ作品は北米でストリーミング配信しない意向であると報じていた。Variety誌は、宮崎駿氏が繰り返し米ストリーミング市場への参入に消極的な姿勢を見せていたとし、驚きの発表だとしている。
HBO Maxのケヴィン・ライリー(Kevin Reilly)チーフコンテンツオフィサー(CCO)は、「エキサイティングかつ、魅力的で、深い人道主義を描いた素晴らしい作品は、多くの人々の心を捉えている。HBO Maxを通じ、より利用しやすい方法で、ファンに届けることができることを誇りに思う。」と声明で述べた。
星野康二代表取締役会長は、声明で「春のサービス開始後、ジブリファンはお気に入りの作品を楽しみ、ライブラリー作品をさらに探究できるでしょう。その一方で、新たな視聴者は、初めて私たちの作品を見出すことができるだろう。」と新たなファン獲得への期待を語った。
ワーナーメディアは今月10日、子供向け教育番組「セサミストリート」(Sesame Street)の新エピソードをHBO Maxで独占配信すると発表している。これまでに、人気ドラマの「フレンズ」(Friends)や「ビッグバン☆セオリー ギークなボクらの恋愛法則」(The Big Bang Theory)、「ザ・ホワイトハウス」(The West Wing)などの配信権利を獲得し、ニューヨークを舞台とした「ゴシップガール」(Gossip Girl)のリブート作品制作も決定している。
HBO Maxの具体的なサービス開始時期や月額費用は発表されていないが、Vergeによると来年4月から開始され、月額15ドルから17ドルになると予想されている。今秋サービスを開始するディズニー社の「Disney+」は月額6.99ドル、アップル社の「Apple TV Plus」は月額4.99ドルとなる。同サイトは、他社よりも値段が高い分、HBO Maxが独占的に配信するコンテンツの質の高さが、視聴者獲得の鍵になるだろうとしている。
HBO Maxで配信されるジブリ作品は以下の通り
- 『天空の城ラピュタ』(Castle in the Sky)
- 『猫の恩返し』(The Cat Returns)
- 『コクリコ坂から』(From Up On Poppy Hill)
- 『ハウルの動く城』(Howl’s Moving Castle)
- 『魔女の宅急便』(Kiki’s Delivery Service)
- 『となりのトトロ』(My Neighbor Totoro)
- 『ホーホケキョとなりの山田くん』(My Neighbors the Yamadas)
- 『風の谷のナウシカ』(Nausicaä of the Valley of the Wind)
- 『海がきこえる』(Ocean Waves)
- 『おもひでぽろぽろ』(Only Yesterday)
- 『平成狸合戦ぽんぽこ』(Pom Poko)
- 『崖の上のポニョ』(Ponyo)
- 『紅の豚』(Porco Rosso)
- 『もののけ姫』(Princess Mononoke)
- 『借りぐらしのアリエッティ』(The Secret World of Arrietty)
- 『千と千尋の神隠し』 (Spirited Away)
- 『かぐや姫の物語』(The Tale of The Princess Kaguya)
- 『ゲド戦記』(Tales From Earthsea)
- 『思い出のマーニー』(When Marnie Was There)
- 『耳をすませば』(Whisper of the Heart)
- 『風立ちぬ』(The Wind Rises)