パンデミックをきっかけにニューヨークから地元オハイオ州に移り住んだジャーナリストが、「カオス」な生活ぶりを紹介した記事が話題となっている。
ウォール・ストリート・ジャーナルの記者チップ・カッター氏は、オハイオ州コロンバスと職場のあるマンハッタンを飛行機で往復する「スーパーコミューター」。リモート勤務の終了後も、自分の好きな仕事をしながら、コロンバスでの生活を続ける方法を模索した結果、クレジットカードのポイントや航空会社のマイレージを活用する2拠点生活にたどり着いたという。
カッター氏は現在、週7日のうち平日の3日間をマンハッタンで過ごしている。月曜日は午前4時半に起き、6時発の飛行機でミッドタウンにあるオフィスへと向かう。出発地点から到着地点まで最短で3時間だが、遅延が生じた場合は「慌てて他の便を予約する」という。
オハイオは生活コストが圧倒的に安い。不動産会社情報サイトZillowによると、ニューヨークでの1ベッドルームの家賃の中央値は3,350ドル(約44万円)で、コロンバスは1,425ドル(約20万円)となっている。GOBankingRatesのデータでは、食料品や住宅、光熱費、医療費などの生活コストの年間支出総額はニューヨーク州が70,700ドル(約1,000万円)に対し、オハイオ州は46,600ドル(680万円)だった。
カッター氏は当初、ウォール・ストリートにある「The Beekman」など高級ホテルでの滞在を楽しんでいたが、ポイントを使い果たしたうえ、予算オーバーとなったため「サステナブルではない」と結論づけた。JFK空港付近など「できる限り最低価格」で宿泊できるホテルにダウングレードした。その結果、ポイントは半分に節約できたという。
しかし最近では、パーティや仕事のイベントで知り合った人々から「で、どこにお住まい?」と聞かれるのが「怖くなった」という。また、観光客が増加するホリデーシーズンはホテル料金が高騰し、友人からは「カオスな人生」とからかわれた。同僚からは「アパートを購入しろ」も助言を受けた。
Foxニュースの情報番組に出演したカッター氏は、祝日や週末以外に家族と会えるのは「特別なことで、ワクワクする」ものの、2拠点生活は「思っているよりも大変だ」と本音をのぞかせた。「ちょっとしたアドベンチャーのようなもの、価値はあった」と振り返りつつ、「いつまで継続できるかは不明」と語っている。