ヘンリー王子とメーガン妃は12日、新たなウェブサイト「Sussex.com」を公開した。トップページには、メーガン妃の紋章と「ヘンリー王子&メーガン、サセックス公爵夫妻のオフィス」と表示されており、専門家からは、夫妻が王室ブランドを利用して商売をするつもりではないかと非難の声が上がっている。
ウェブサイトをローンチした理由は不明だが、夫妻の「リブランド」を目的としたものではないかとも噂されている。
サセックスは「名字」?
王室専門家のトム・バウアー氏はデイリーメールの論説で、「サセックス」の表記について、「王室との関係を商品化しないという、故エリザベス女王との重大な約束を破ったという非難にさらされるだろう」と指摘。その結果、夫妻の称号が取り消されるだけでなく、子供たちにも影響が及ぶ可能性があると警告した。さらにチャールズ国王に向け「王室の地位を利用して金儲けをしようとする試みは、背任行為であり、罰せられるべきだ」と訴えた。
同じく王室専門家のマイケル・コール氏もGBニュースで、英王室を「コケにしている」と非難。商業目的で王室を利用するのは「違法」であり、「許されない」と主張している。
ネットでも「2人は全く役立たずだ。今こそ称号を剥奪すべきだ」「なぜいまだに称号を保持し、王位継承順位が与えられているのか。冗談もいい加減にしろ」など厳しい意見が飛び交っている。
なお夫妻の関係者はデイリーメールに対し、「ハリー王子とメーガン妃はサセックス公爵夫妻。これは事実だ。サセックスはサーネーム(姓)でありファミリーネーム」との見解を示した。
先述のコール氏は、”サセックス”は英国の「素晴らしい州の名に由来するもので、姓ではない」と指摘。ヘンリー王子の姓は「マウントバッテン・ウィンザーだった」と主張している。国王は夫妻の動向は、君主制の役割を「損なう」可能性あるため、注視していくだろうと加えた。
王室メンバーのファミリーネーム
ちなみに英王室の公式サイトの「ファミリーネーム」に関する説明によると、1917年以前は、英王室メンバーは統治している国家の名前で呼ばれており、姓はなかったという。
初めて姓を使用したのは、ジョージ5世。第一次世界大戦中の1917年、敵国に対する反ドイツ的感情から「ザクセン=コーブルク=ゴータ」から「ウィンザー」へと改姓された。エリザベス女王とエディンバラ公(フィリップ殿下)は、直系の子孫とその他の王室メンバーを区別したいと考えており、1960年に「マウントバッテン=ウィンザー」の姓が設けられた。女王の子供たちは、結婚時など姓が必要な場合は、このサーネーム(姓)を使用するという。
ヘンリー王子夫妻が「サセックス」を名乗るのは初めてではない。夫妻はこれまでにも称号を使用して、米国民に大統領選への投票を呼びかけたり、育児有給休暇の法制化を求めて、連邦議員にロビー活動を行ったりしたことで、米国内からは「英王室による内政干渉」だとして反発の声が上がっている。
ヘンリー王子は昨年、CBSの報道番組で「なぜ公爵夫妻の称号を放棄しないのか」と質問を受けた際、「どのような違いが生じる?」と逆に問いかけるなど、言葉を濁していた。やはり、夫妻には明らかに何らかの意図があるようだ。