米小売大手ターゲットは26日、従業員の安全確保を理由に、ニューヨーク市のイーストハーレム店を含む9店舗を閉鎖する計画を発表した。
閉鎖はマンハッタンのイーストハーレム店のほか、シアトルの2店舗、カリフォルニア州のサンフランシスコ、オークランド、ピッツバーグにある店舗、ポートランドの3店舗が含まれる。
ニューヨークポスト紙によると、同社は閉鎖の理由について「窃盗や小売を狙った組織犯罪がチームや客の安全を脅かし、持続不可能な経営成績」に陥っていると説明した。万引き防止策として、「多大な」投資を行い、警備員を増員したり、「盗難抑止ツール」を導入したりしたが、効果はなかったという。地域社会で果たす役割は重要としつつも「職場や買い物環境が安全である場合のみ機能する」と加えた。
2010年夏にオープンしたイーストハーレム店は、来月21日に閉店する。同地区にある複合施設「イーストリバープラザ」では、ターゲットのほか、コストコやマーシャルズなどが店舗を構える。ポスト紙が入手したニューヨーク市警察の犯罪統計によると、同施設での万引き件数は、パンデミック以降40%以上増加。2022年は665件で、今年6月までには289件が報告されている。
ターゲットは現在、議員に対し、小売店の犯罪に対応する政府特別委員会を設置する法案を支持するよう働きかけている。
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LGBTQ関連商品を巡り不買運動も
経営や従業員の安全を脅かしているのは、万引きだけではない。5月に発売したプライド月間のコレクションは、保守派からの反発を招き、不買運動へと発展した。反LGBTQの活動家が店頭のディスプレイを破壊するなど、客がスタッフに暴力を加えた事件も報じられた。