大勢の観光客で賑わうタイムズスクエアで8日、ベネズエラ人の少年(15)がスポーツ用品店で発砲し、観光客1名が負傷する事件があった。
事件が起きたのは午後7時ごろ、41ストリートとブロードウェイの交差点にある「JD Sports」。少年は、仲間2人と商品を袋に入れて持ち去ろうとし、警備員に呼び止められた。
商品は警備員によって回収されたが、少年は店を出る際に、拳銃を取り出して発砲した。弾は、買い物をしていた女性の膝に当たった。
被害者の女性は38歳で、ブラジルから観光に訪れていたという。病院で手当を受け、すでに退院している。
発砲した少年は、ミッドタウンを北方面に逃走。この間、追いかける警官に向けて2発発砲した。その後、6アベニューと46ストリートにあるロックフェラーセンター駅に駆け込み、電車で逃走した。
警官からの発砲はなかったという。ニューヨーク市警察は、歩道は混雑しており、通行人を巻き添えにする可能性があったと説明している。女性のほかにけが人はなかった。
ニューヨーク市警察は8日午後、マンハッタン郊外のヨンカースにある民家で少年を拘束した。
少年の名は、ジーザス・レヘナドロ・リバス-フィゲロア(Jesus Lejenadro Rivas-Figueroa)。犯行には、45口径の拳銃が使用された。万引きに関与した少年2人(15歳と16歳)も逮捕された。3人は同じ学校に通っていたという。
ニューヨークポスト紙によると、少年は昨年9月に中南米のベネズエラから米国に入国したばかりだった。シェルターとして改造されたアッパーウエストサイドのホテル「Stratford Hotel」に滞在していたという。
ニューヨーク市警察の報道官は、未成年による警官の殺人未遂罪で起訴される可能性が高いと語っている。
少年には余罪があるとみられており、その他の強盗や発砲についても捜査が進められている。
移民による事件相次ぐ
タイムズスクエアでは先月27日、2人の警官が移民の集団から暴行される事件があった。
移民がバイクやスクーターを利用して、ひったくりをする事件も増加している。
ポスト紙によると、通行人が持っている携帯電話や、ロレックスなどの高級時計、ゴールドのブレスレットを奪う事件は、前年比で3,200%増加している。ニューヨーク市警察は現在、32の異なる犯罪集団を捜査している。
FBIの元報道官でニューヨーク市警察の警察本部長補佐を務めたジョン・ミラー氏はCNNの番組で、犯人らの行動パターンについて、「ニューヨークで盗みを働いた後、フロリダに移動し、そこで金銭を使い果たして、またニューヨークに戻る」と説明。フロリダ州で強盗をしないのは、刑務所に収監されるためと理由を語っている。