28日、メトロポリタン美術館(The Metropolitan Museum of Art)が半年ぶりに営業を再開した。初日と2日目は会員限定で、29日から一般公開がスタートする。
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プレジデント兼CEOのダニエル・ワイス(Daniel H. Weiss)氏は会見で、新型コロナウイルスの影響により、今年度は1億5000億ドルの損失を見込んでいると語った。また「われわれはこれまでの歴史の中で、国家全体として、今まで以上に人種の多様性や平等、包括性など対処できなかった問題に直面している。これらに取り組み、より良くなるために、かつてない機会としてこの瞬間を受け止めたいと考えている。」と語った。
州の規定により、館内の人数は通常の25%にあたる4,000人に制限する。来館者は、インターネットで日時を指定し、事前予約する必要がある。
チケット料金は、現地で購入する。火・水を除く週5日間営業し、開館時間は午前10時から午後5時まで。木・金は午後7時まで延長する。
安全対策は?
来館者はマスク着用が求められ、入館前に体温測定を行う。ハンドサニタイザーが至る場所に設置されているほか、ソーシャル・ディスタンスの標識が掲示されている。
またパンデミック以降、公共交通機関の利用を避ける人が増加したため、入り口北側で自転車の係員付き駐車サービスを開始した。
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見どころは?
美術館の150年の歴史を振り返る特別展「Making The Met, 1870–2020」を開催。Metのアーカイブから250点以上の作品が展示されている。
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「Jacob Lawrence: The American Struggle」(1954–56)では、アフリカ系アメリカ人の現代アート画家、ジェイコブ・ローレンス氏によるヨーロッパの植民地化から第一次世界大戦まで1775年から1817年までの歴史的瞬間を描いた30枚の絵画を展示。ローレンス氏は作品について「国家を形成する人々の闘争と民主主義を形成する企て」と制作意図を述べている。
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ルーフトップでは、メキシコ人アーティスト、ヘクトール・サモラ(Héctor Zamora)氏による壁のアート作品「The Roof Garden Commission: Héctor Zamora, Lattice Detour」が展示されている。
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建物正面には、オノ・ヨーコ(Yoko Ono)氏の作品「DREAM TOGETHER」のバナーが掲げられた。「希望と団結の力強いメッセージ」は、新型コロナウイルス危機を受け制作された。通常展示会の告知を行うバナースペースに、アーティスト作品を展示するのは今回が初めて。期間は9月13日まで。
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5月にメットガラに合わせて開催予定だったコスチューム・インスティチュート特別展「About Time: Fashion and Duration」は、10月に展示予定。
分館のメット・クロイスターズ(The Met Cloisters)は9月12日に再オープンを予定している。もう一つの分館、メット・ブロイヤー(The Met Breuer)は閉鎖期間中に閉館しており、今後はフリック(the Frick)が使用すると発表している。