ニューヨーク市のベン・カロス(Ben Kallos)市議会議員は、市内で増加している落書きについて、除去するための財源不足に陥っているとCBSニューヨークに語った。
市が無料で提供する落書き除去プログラム「Graffiti Free NYC」は活動を停止しており、現在住民からの苦情も受け付ていない。
落書きについて住民からは「恥ずべきことだ」「自分を表現したい気持ちはわかるが、これは魅了されない」との声も上がっている。
5月末のジョージ・フロイドさんの死亡事件以降、プロテスターによる落書きも増加している。中でも、泊まり込みの抗議活動が1カ月間続いた、市庁舎近辺の建物や道路には、反権力や反警察を主張するおびただしい数の落書きが描かれている。
デブラシオ市長は21日の会見で、これらの落書きを長期間放置している理由を尋ねられると、建物の材質の特性により、清掃に遅れが生じていると説明。時期については明言を避けつつ「落書きは許されない。公共物のグラフィティは消去する」と約束した。一方、民間の建物については、財政上の問題から従来通りの清掃はできないと加えた。
市庁舎前の清掃に関しては、トランプタワー前のBLM文字や、ワシントンスクエアパークの像などもペンキで汚されたが、数時間内に修復作業が実施されていることから、矛盾を指摘する声も上がっている。