整備士が旅客機の翼にテープを貼り付ける様子がSNSにシェアされ、話題になっている。
TikTokユーザーの@myhoneysmacksさんは26日、ナッシュビル国際空港で離陸前のスピリット航空の機体の窓から撮影した動画を投稿した。映像には、整備士が銀色のダクトテープのようなものを左翼に貼り、補修する様子が撮影されている。
投稿主はこれを眺めながら「これがスピリット航空を利用しない理由だ」と説明。「航空機専用のテープであろうがなかろうが関係ない。飛行機をテープでくっつけるなんて、しかも人が乗っているときに、見えないようにやるなんて」と話し、「これが、私がスピリットに乗らない理由。サウスウエスト航空には乗るけど、スピリットは願い下げだ」と主張した。
この動画は現在、100万回以上再生され、1万件を超えるコメントが寄せられている。
「私なら着陸するまでテープから目を離さない」「俺だったら飛行機を降りて、返金してもらう」「スピリットは最悪だ」といった声、「飛行中に剥がれたらどうするんだろう」「まだスピリットが墜落したのを聞いたことがないから、テープは機能してるのね」といったコメントが投稿された。
中には「でも君、乗ってるよね」とツッコミを入れるユーザーがいる一方、事情をよく知るユーザーからは、「これはスピードテープと言って、機体に簡単な補修をほどこすために使用するものだ。サウスウエスト航空を含め、どの航空会社も使ってる」「22年の経験から話すけど、スピードテープに問題はない。ペイントやシーリング材がはがれた箇所に、よりダメージが出るのを防いでいる」など、解説するコメントも寄せられた。
以前にテープが話題になった際、ワシントンポスト紙が専門家の見解をもとに掲載した記事によると、スピードテープはアルミをベースにしたもので、耐久性に優れ、風速600マイル(965km)でも剥がれない。3M社の製品の場合、摂氏マイナス50度から150度までの極端な環境に対応し、湿気、炎、紫外線、化学薬品にも耐えられる。
連邦航空局(FAA)の報道官は、当時同紙に、「航空機の非構造部品の一時的な軽微な修理」に使用しても安全であると説明している。
ただし、各航空会社は、整備マニュアルにスピードテープの使用法を明記し、FAAの承認を得る必要がある。これに違反した使用が発覚すると制裁措置が科されるという。
ユナイテッド航空は2002年、スピードテープを不適切に貼ったまま航空機を飛行させたとして、805,000ドルの罰金を命じられている。