18日に潜水艇「タイタン」に父親とともに搭乗した19歳の青年は、ツアーへの参加をためらっていたという。
カナダのニューファンドランド島から沈没船タイタニック号の見学ツアーに出発した後、消息不明となった潜水艇「タイタン」について、米沿岸警備隊は22日、タイタニック号の近くで内部破裂したとみられ、搭乗していた5人全員の命は絶望的と発表した。
運営元のオーシャンゲートは、日本円にして3,500万円の高額ツアーを販売していた。ツアーには英国の億万長者ハミッシュ・ハーディングさん、パキスタンの実業家シャザダ・ダウッドさんと19歳の息子スレマンさんの3人が参加した。潜水艇にはこのほかに、乗組員としてフランス人の深海探検家ポールアンリ・ナルジョレ氏、同社のストックトン・ラッシュCEOが乗っていた。
シャザダさんの姉、アズメさんがNBCニュースのインタビューに話したところによると、19歳の大学生で甥のスレマンさんは、ツアーの数日前、「気乗りがしない」と親戚に明かし、「恐怖」を感じていると話していた。ただし、ツアーは父の日の週末だったことから、タイタニック好きの父親を喜ばしたい気持ちだったという。
アズメさんは、「19歳のスレマンが息も絶え絶えになっているかと思うと、息がつまる思いです」と述べ、嗚咽を漏らして「信じられない」「悲現実的だ」と話した。
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