優れた演劇やミュージカル作品、およびキャストやスタッフに授与される第71回トニー賞のノミネート作品が発表された。今年のブロードウェイには、次々と新作が登場。ノミネート作品の中から注目作品をご紹介。
最多12部門ノミネート”Natasha, Pierre & the Great Comet of 1812″
ミュージカル作品賞を始めとした、最多12部門でノミネートを果たしたのは、The Imperialシアターで上演中の、“Natasha, Pierre & the Great Comet of 1812”「ナターシャ、ピエール&ザ・グレートコメット・オブ・1812」。
トルストイの「戦争と平和」をベースとした作品で、2016年の11月にブロードウェイでオープニングを迎えた。4年前に87席のオフブロードウェイシアターで上演をスタートした作品。
本作がブロードウェイ初デビューとなるジョッシュ・グローバン(Josh Groban)は、ミュージカル主演男優賞にノミネートされている。
大ヒットリバイバル作品Hello, Dolly!
プレビュー公演の段階で記録的な大ヒットの「ハロー・ドーリー!」“Hello, Dolly!”は、ミュージカル部門のリバイバル作品賞を含む10部門でノミネート。ベッド・ミドラー(Bette Midler)は、ミュージカル主演女優賞に、デヴィッド・ハイド・ピアース(David Hyde Pierce)はミュージカル主演男優賞に各々ノミネートされている。
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ミュージカル作品賞ノミネート作品
上記の「ザ・グレイト・コメット」に加え、以下三作品がノミネートされた。
「ディア・エヴァン・ハンセン」 “Dear Evan Hansen”
対人恐怖症を持つ高校生の主人公エヴァン・ハンセンが、同級生の死をきっかけに、自身の世界が大きく変化していく物語。演技が絶賛されている23歳のベン・プラット(Ben Platt)は、ミュージカルの主演男優賞にノミネートされている。「ラ・ラ・ランド」のベンジ・パセック(Benj Pasek)とジャスティン・ポール(Justin Paul)が担当。作品賞を含む9部門ノミネート。
「カム・フロム・アウェイ」“Come From Away”
2001年のアメリカ同時多発テロの後、入国制限で行き場を失ったイスラム教徒の旅行者をかくまったカナダ・ニューファンドランド島の人々を描いた実話に基づく作品。カナダのトルドー首相が、観劇に訪れたことでも有名。7部門にノミネート
「グラウンドホッグ・ディー」“Groundhog Day”
ビル・マーレイが主演した映画『恋はデジャ・ブ』(1993)のブロードウェイ版。春の訪れを告げる有名なイベント、グラウンドホッグ・ディーが毎日ループされる気象予報キャスター、フィルの体験を描くコメディ。脚本は原作と同じダニー・ルビン(Danny Rubin)が担当している。
これら作品は、ブロードウェイ以外の劇場から上演がスタートし、観客の好評を経て、ブロードウェイでの公演に至っている。
現在ヒット中の「チャーリーとチョコレート工場」“Charlie and the Chocolate Factory”と、「アナスタシア」 “Anastasia”は、今回のミューカル作品賞のノミネーションより外れている。
演劇作品賞ノミネート
「人形の家、パート2」 “A Doll’s House, Part 2”、「スウェット」 “Sweat”(Lynn Nottage作品、ピューリッツァー賞受賞)、「オスロ」“Oslo”
、「インディセント」“Indecent”の(Paula Vogel作、ピューリッツァー賞受賞)の4作品がノミネート。
選考は、投資家、プロデューサー、監督、俳優、デザイナー、ジャーナリストなど約840名による投票によって行われる。
賞の発表は、6月11日(日)の8pmより、Radio City Music Hallにて開催。今年は、俳優やプロデューサー、投資家などマルチ場面で活躍しているケビン・スペイシー(Kevin Spacey)がホストを務める。