食品や住宅価格の高騰、医療費の増大など、生活費が家計を圧迫する中、多くのアメリカ人が国外脱出を検討し始めている。2,000人を対象に行われた最新の世論調査によると、成人の17%が今後5年以内に海外に移住する可能性があると答えた。
他の世代に比べてミレニアル世代の移住志向が最も強く、25%がまもなく米国を去る可能性があると回答した。地域別では中西部の住民(18%)が、南西部と西部、南東部、北東部(それぞれ16%)よりもやや多かった。
住みづらくなるアメリカ
54%が米国の暮らしはもはや手頃ではないと答え、55%が貧富の差によって国内の機会が制限されていると回答した。また、57%が米国のライフワークバランスは標準以下であるとしたほか、6割以上が米国の医療と教育が崩壊している(それぞれ65%、66%)と答えた。
39%が外国の方が経済や生活状態の改善が見込めるとの考えを示し、40%は米国はもはや他国に比べて楽しくも好ましくもないと答えた。
調査を実施したTalker Researchは、「若者世代を含む社会人の多くが、いまだにアメリカンドリームの達成の可能性があるのか疑問を抱いており、住宅費や学生ローン、医療費の高騰により、経済的な安全を感じることが難しくなっている」と指摘。こうした人々は「従来のキャリアパスよりも生活の質を優先し、個人的および経済的な幸福により合致した環境を求めている」と分析を示している。
人気移住先TOP10
移住先の人気No1.に躍り出たのはカナダで、2位イタリア、3位イギリスと続いた。
1位:カナダ
2位:イタリア
3位:イギリス
4位:オーストラリア
5位:アイルランド
6位:フランス
7位:スイス
8位:コスタリカ
9位:スコットランド
10位:ドイツ
カナダを選んだ理由で最も多かったのは「高品質な医療」(41%)で、楽しみや探検の機会が豊富な景観(28%)、国家によるワークライフバランスの実践的なアプローチ(21%)が上位に挙がった。一方、2位のイタリアには、料理(68%)、文化と人(66%)、風景や地形(40%)を魅力に感じていることがわかった。