イタリアのベスビオ山でセルフィーを撮影しようとした観光客が、誤って火口に転落し、負傷する事故があった。NBCニュースが報じた。
ベスビオ火山は西暦79年の噴火で、古代ローマの都市ポンペイなどを壊滅させたことでも知られる。最近の噴火は1944年だった。現在は国立公園に指定されており、毎年多くの観光客で賑わう。
メリーランド州から訪れていたフィリップ・キャロルさん(23)一家は9日、立ち入り禁止の看板を無視して、遊歩道から侵入。山頂で記念写真を撮影しようと携帯電話を取り出したところ、手元が狂い、火口に落下させてしまった。これを取り戻そうとしたが、自身も誤って、数メートル下まですべり落ちた。
その場にいた複数人の火山ガイドが、事故に気がつき、すぐにロープで救助したという。ガイドの運営者はNBCニュースに対し、300メートル下まで落下する危険もあると警告している。
キャロルさんは背中や足、腕などに切り傷を負った。救助された後、地元警察に拘束された。罪状や罰金などの詳細については明らかになっていない。
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セルフィー中の死亡事故も
キャロルさんは軽傷ですんだが、近年セルフィーの最中に命を落とすケースも報告されている。ジャーナル・オブ・トラベルが発表した調査によると、2008年から2021年7月までの間、全世界で自撮り中に起きた死亡事故は、推定379件だった。
圧倒的に多いのは転落事故で、ほかには公共交通機関に関連する事故や溺死、武器や電気、動物による攻撃、自殺などが挙げられている。年代別では、19歳までの若者が最も多く、全体の40%を占める。
最近の例では、今年1月、アリゾナ州出身のリチャード・ジェイコブソンさんが、フェニックスにあるスーパースティションマウンテンで、自撮り中、崖から転落して死亡する事故があった。