14日、玩具小売りチェーンのトイザらス (Toys“R”Us)は、米国の全店舗、800店を閉鎖または売却すると各メディアが報じた。世界中で親しまれてきた大手玩具店は、約70年の歴史に幕を閉じることとなる。
同社の倒産は、2016年に、1万4,500人の従業員と460店舗を有するスポーツオーソリティ(The Sports Authority)以来の大型倒産となる。
ウォールストリートジャーナル(Wall Street Journal)紙によると、CEOのデーブ・ブランドン(Dave Brandon)氏は、ニュージャージ州ウェイン(Wayne)にある本社で、15日に破産裁判所で行われるヒアリングに先駆け、国内店舗の閉鎖と売却の計画を発表した。米国内の3万人の従業員に対しては、60日間の賃金及び手当を支給するとしている。
また、フランス、スペイン、ポーランド、オーストリアの事業も閉鎖する予定としている。米国のチャプター11にあたる破産申請を行っている英国の店舗は、全て閉鎖される。
カナダ、中央ヨーロッパ、アジアの事業は売却される予定で、カナダの事業は、米国の200店舗とパッケージ化し、売却先を見つける方針だという。
トイザらスは、2005年のボルネード・リアルティ・トラスト(Vornado Realty Trust)とコールスバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)、ベインキャピタル・パートナーズ(Bain Capital)3社によるレバレッジド・バイアウト(LBO)以来、50億ドルもの債務に苦しめられてきた。CNNによると、その支払いだけでも年間4億ドルに上るという。加えて、ディスカウント小売店ウォルマート(Walmart)や、オンラインリテーラーのアマゾン(Amazon.com)の台頭により、経営状況が悪化していた。
昨年9月の連邦倒産法第11章の適用申請以来、国内の182店舗を閉鎖し、再建の道を模索してきた。しかし、米国最大の商機ホリデーシーズンの売上は、通常の売上(6億ドル)の半分以下と厳しい結果となっていた。
ニューヨークタイムズ紙によると、米国の店舗では、今後数ヶ月間に渡って閉店セールが行われる予定。