娘のイバンカ氏に続いて、トランプ大統領は15日、同社の製品を机に並べてポーズをとる姿を、インスタグラムに公開した。
ゴヤ・フーズは先週、ホワイトハウスに招かれたロバート・ウヌナー最高経営責任者が、トランプ大統領を称賛したなどとして、SNSを中心に不買を求める声が高まっていた。
イバンカ氏は14日、笑顔で同社の缶詰を手に持ちながら「ゴヤなら、おいしいに違いない。」とコメントをつけて投稿した。
このツイートに、ネットでは「トランプ親子は一度も食べたことがないだろう」「ラテン系を魅了するための政治的スタンス」「豆の缶詰が、親と引き離された子供たちの位置よりも価値があるというのであれば、あなたの優先順位は狂っているぞ」など、不快感を示すコメントやミームが数多く寄せられた。
投稿を政府の倫理規定に違反すると指摘する声も多い。規定では、政府職員は、公職を利用して、製品やサービスを支援してはならない。
一方、ホワイトハウスの広報は、イバンカ氏は個人的に支持を示したに過ぎないと反論した。
ゴヤ不買騒ぎ
9日、トランプ大統領は、ウヌナー氏を含む、ヒスパニック系のビジネスリーダーを招いて会合をした後、ヒスパニックコミュニティの教育や経済機会の改善を目的とした大統領令に署名した。ウヌナー氏は署名式のスピーチで「われわれはトランプ大統領のような指導者を同時代に持てつことができて、本当に恵まれている」と称賛。「われわれには素晴らしい建国者がいる。リーダシップと大統領、国にお祈りし、われわれがこれからも繁栄し、継続していくことを願っている」と語った。
なおゴヤフーズは、移民のプレディシオ・ウナニー氏が1936年に創業した老舗企業。ロバート・ウナニー氏は3代目。ヒスパニックが経営する最大規模の食品メーカーを謳い文句に、豆類や調味料など家庭料理の定番食材を提供している。
トランプ大統領は2016年の選挙キャンペーン中から、メキシコからの移民を「レイピスト」と呼ぶなど、移民に対する侮蔑発言を連発。国境の壁の建設やDACA廃止をはじめ、反移民的な政策を次々と打ち出してきた。
ウヌナー氏が、移民に強硬姿勢を示すトランプ氏を支持したとして、「#Goyaway」「#BoycottGoya」がツイッターでトレンド入りするなど、不買騒ぎに発展した。
不買の声に、民主党議員らも参加した。ジュリアン・カストロ元住宅都市開発長官(民主党)は「ウナヌー最高経営責任者は、政治的利益のためにラティーノを悪者にして、悪意ある攻撃をする大統領を称賛している」と投稿。「アメリカ人はゴヤ製品を買うのを考え直すべきだ」と呼びかけた。
その後、FOXニュースの番組に出演したウヌナー氏は、オバマ政権時代にもホワイトハウスを訪問したことに触れ、「1人の大統領について良い話をして称賛することは許されて、経済と教育的な成功を支持することは許されないというのか」と発言。トランプ氏の経済政策を支持する発言について謝罪をしないと述べ、今後の招待にも応じる意向を示した。