トランプ氏 対中関税を追加引き上げ。中国の報復関税に対抗

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トランプ大統領は23日、中国が新たに発表した750億ドル分の米国製品への報復関税に対抗するとして、対中関税を追加で引き上げることを発表した。

トランプ氏は「中国は750億ドルの米国製品に新たな関税をかけるべきではない。(政治的動機に基づくものだ!)」と述べ、現在、関税率25%の2,500億ドル分の製品について10月1日から30%に、9月1日から10%の課税を予定する3,000億ドル分の製品の関税を15%に引き上げると発表した。

これに先立ち、トランプ氏は午前中のツイートで「今日の午後、中国の関税に対応を行う」と対抗措置を講じる考えを示していた。

一連の午前のツイートでトランプ氏は「米企業には、国内に企業を戻し、米国で生産するなど、中国に変わる国を直ちに検討するよう命じた」と述べたほか、FedEx、やアマゾン、UPS、米郵便公社などの「すべての運送企業」に対して、中国からくるフェンタニールを検出し、すべて拒否するよう命じた、と語っていた。

なお、各メディアは、大統領がどのような権限を行使できるか定かではないとしている。

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米中貿易摩擦の一層の激化は、世界経済の停滞と米株式市場の不安定化につながるとして、国内外でトランプ氏の対中政策への批判が高まっている。さらに市場では、2021年末までに景気後退が訪れる観測が広がっている。

これに対し、ホワイトハウスの高官らは各メディアに出演して、低失業率などの指標を示しながら、経済が堅調であること強調するなど、懸念を最小化しようとする試みが目立つ。

23日のニューヨーク株式市場ダウ平均株価は623ドル安と大きく値を下げ、前日比2.4%低い2万5628ドル90セントとなった。

またトランプ大統領は同日「誰が我々の敵なのだ。ジェローム・パウエルか習近平国家主席か?」などとパウエルFRB議長を批判していた。