18日に発売された『アプレンティス・イン・ワンダーランド』の著者ラミン・セトゥーデ氏は、トランプ前大統領とのインタビューについて、退任後も「外交政策の権限」があると勘違いしているようだったと振り返った。
バラエティ誌の共同編集長でもあるセトゥーデ氏は執筆にあたり、トランプ氏がホワイトハウスを去った後の2021年5月から、トランプタワーを繰り返し訪れ会話を重ねた。トランプ氏は乗り気で、次の予定に被るほど時間を延長し、「よし、またミーティングをしよう」と言って終わるのが常だっという。
新刊本のプロモーションを兼ねてCNNの番組に出演したセトゥーデ氏は、トランプ氏の様子を聞かれると、成功した実業家としてその名を全国に知らしめたリアリティ番組『アプレンティス』を語るとき、「彼は最も幸せだった」と説明。「それは最も彼を喜ばせるものだった。番組のクリップを一緒に観て、テーマソングも観て。彼は本当に陽気になった」と振り返った。
ただし、大統領在任中の話題になるとトランプ氏は態度が一転。「塞ぎ込んで、憤慨し、アンハッピーだった」という。セトゥーデ氏はさらに「彼はまた、外交政策の権限を有していると考えているようだった」とも述べ、「ある日、彼はアフガニスタンに対応するために上階に行かなければならないと私に告げた。明らかにそうではないのに」と明かした。
インタビューでは記憶力や認知能力が疑わしい場面も見られたという。
2016年の選挙について、2年前に死亡していた女性コメディアン、ジョアン・リバース氏が自分に投票したと自信を持って「宣言」したことがあったほか、2度目のインタビューに訪れた際、空虚な表情を浮かべるトランプ氏に前回の会話を覚えているかを尋ねると、覚えていないと答えたという。
そのためインタビューを最初からスタートして、トランプ氏から前回と全く同じ話を聞かされる羽目になったという。「インタビューを重ねて広い範囲をカバーしたが、ちょっとグラウンドホッグデー(ビル・マーレイ主演の映画『恋はデジャ・ブ』の原題)ぽかった」と振り返った。