トランプ大統領の初訪英時、ウエストミンスターの空に浮かんだ「トランプ・ベビー」(Trump Baby)バルーン。抗議活動以来、大英博物館ほか英国の名だたる美術館から、バルーンの展示を希望するオファーが殺到しているという。
高さ6メートルのバルーンは、大統領への政策に対する抗議活動で使用するため、英国の活動家らがクラウドファンディングで資金を募り製作された。
ニューヨークタイムズによると、展示を希望しているのは、大英博物館(The British Museum)と、ロンドン博物館(The Museum of London)、ビショップゲート研究所(Bishopsgate Institute)ほか多数の要望が、活動家団体に寄せられているという。
当初申し出があったのは、大博物館で、9月より開始するプロテストの歴史に関する企画展「exhibition on the history of dissent and protest」でバルーンを展示したいとしている。
また、ロンドン博物館や、ビショップゲート研究所は、常設展示を希望しているという。両館とも現物を展示するには、バルーンのサイズが大きすぎるため、何とか良い方法を考案したいと意気込んでいる。
ロンドンのデザイン・ミュージアム(Design Museum)の収集部門長、トム・ウィルソン(Tom Wilson)氏は、今回の抗議活動は「重要な瞬間だった」として、「政治的な表現における、デザインの役割を変えた。」と振り返る。同美術館も展示を希望しているが、やはりサイズが懸念事項となっている。
世界中からオファー
バルーンの抗議活動を行った活動家らは、自らをトランプ・ベビーシッターズ(Trump babysitters)と呼んでいる。デザインは、マシュー・ボナー(Matthew Bonner)氏が担当した。最初は、泣いている表情だったが、それでは同情を呼びすぎるということで、アングリーフェイスに変更されたという。
ベビーシッターズの1人、ケビン・スミス(Kevin Smith)氏は、世界中の団体や活動家から、パンクしそうな程の依頼を受け取っており、要望の多い団体の1つが美術館からだという。
トランプ・ベビー・ワールド・ツアー(Trump Baby world tour)も予定しており、クラウドファンディグでは44,500ドル(約500万円)の募金が募られている。
世界中からの要望に対応できるよう、一定の条件の元で、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(Creative Commons license)を付与することも検討しているという。
米国上陸も決定
トランプオーガニゼーションのゴルフクラブがあるニュージャージー州では、「ピープルズモーターバス」(People’s Motorcade)に所属する2人の活動家が募金を開始。
わずか4日間で、24,000ドル(約250万円)が募られ、ニュージャージーへの上陸が決定した。
オーナイザーの1人、ジム・ルバン(Jim Girvan)氏は、英国のベビーシッターズの許可を得て、同じデザインのものを製作することとなった。バルーンは8月中旬に完成し、ゴルフ場での抗議活動で使用される予定だ。
英国での抗議活動の様子