トランプ紙幣にトランプ空港、共和党からカルトな法案続々

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トランプ氏が再び大統領に就任してから約2ヶ月が経過した。この間、共和党議員たちは、トランプ氏のカリスマ性に迎合するかのような奇抜な法案を次々と提出している。

サウスカロライナ州選出のジョー・ウィルソン議員は先月、製版印刷局にトランプ氏をデザインした250ドル紙幣の発行を命じる法案を提出した。

現行法の下では紙幣や証券に印刷できるのは「故人の肖像」のみとされているが、ウィルソン氏の法案では例外規定を設けることを求めている。提出にあたり、「トランプ大統領はインフレと闘い、アメリカの家庭を助けるために休むことなく働いている。この功績は通貨として認められるに値するものだ」と理由を説明している。

昨年当選したテキサス州選出の新米議員、ブレンダン・ギル議員も今月3日、トランプ氏をフィーチャーした100ドル紙幣の発行を義務付ける法案を提出した。

「ゴールデンエイジ法案」と名付けられたこの法案の根拠について、ギル議員は、「トランプ大統領は、黄金期をゴルフをしたり、家族と過ごしたりすることができる。それにも関わらず、彼はこの国の責任を引き受け、国境を守り、諸外国との貿易不均衡を解消し、アメリカにエネルギー自給をもたらし、アメリカ第一を掲げ、不必要な外国支援を終わらせている」と説明。「彼を100ドル紙幣にフィーチャーするのは、彼の今後4年間の達成に対するわずかばかりの敬意である」と加えた。

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トランプ氏のかねてからの夢を叶えようとアピールする議員もいる。

フロリダ州選出のアンナ・パウリナ・ルナ下院議員は1月、サウスダコタ州のラシュモア山にトランプ氏の顔の彫刻を設置する法案を提出した。

トランプ氏は以前、ワシントン、ジェファーソン、ルーズベルト、リンカーンの歴代大統領とともに自分の彫刻がこの岩山に並ぶのが「夢」だと発言したとされる。フロリダのマール・ア・ラーゴの執務室には、すでにトランプ氏の顔が加わったレプリカ像が飾られているとも報じられている

ルナ議員は「トランプ大統領の大胆なリーダーシップとアメリカの偉大さへの揺るぎない献身は、歴史にその地位を確固たるものとした」と主張。4人の大統領とともに「彼は永遠に記憶されるだろう」と称えた。

カルトぶりは地方レベルにも波及している。

テネシー州のトッド・ワーナー州議会議員は、ナッシュビル国際空港の名をトランプ氏に変更する法案を提出し、委員会で審議にはかられることになっている。

トランプ氏と特別ゆかりのない空港の改名には、地元議員が激しく反発している。

ジャスティン・ジョーンズ州議会議員(民主党)は、「そもそも時間と金の無駄」で、「われわれのコミュニティとは何のつながりもない」し、国家を「恥ずべき道、無謀な道」に導くと一蹴した。

これに対して、ワーナー議員は「トランプ大統領はアメリカを第一にしている。アメリカファーストということは、テネシー州を第一にするということだ」と、やや苦しい反論をしている。