トランプ大統領は、非白人の民主党女性議員に対する発言が人種差別であるとして、下院で非難決議が可決された翌日、ノースサウスカロライナ州で開催した選挙集会で、再び攻撃的な発言を繰り返した。
攻撃の対象となっているのは、アレキサンドリア・オカシオ・コルテス議員とイルハン・オマール議員、ラシダ・トリーブ議員、アヤナ・プレスリー議員の4人の新人議員。移民対策支出法案を巡って、党内でナンシー・ペロシ議長ら指導部と対立したことから、スクワッド(分隊)の異名を持つ。
トランプ氏は「オマール議員は、我々の国に対するテロ攻撃は、他国への干渉に対する反応だとアメリカを非難している。彼女はブラックホークダウンに関わったアメリカ軍人の名を汚し、言い換えれば、ソマリアで平和維持に取り組んだ勇敢なアメリカ人を非難したのだ」と、ソマリア難民としてアメリカに来た民主党のイルハン・オマール議員について述べた。続けて、「誰かが何かした」というオマール氏のテロに関する発言を取り上げ、テロ攻撃を矮小化しようとしていると主張。さらに2013年のインタビューに触れ、「オマールは、アメリカ人はアルカイダを恐ろしいもののように話すと笑ったのだ。」と述べるなど、次々とオマール議員の言動を挙げ、非難を繰り返した。
トランプ氏が「明らかにオマール氏は、悪意を持って反ユダヤ的な発言をしてきた経歴がある」と語ると、会場からは「Send her Back」の合唱が起きた。
アレキサンドリア・オカシオ・コルテス議員に話が移ると、会場は大きなブーイングに包まれた。
「彼女は我々の法執行機関に対する大きな攻撃を率いている」と述べ、続けて国境の不法移民の収容施設をナチスの強制収容所に例えたことに言及。施設を視察した際にコルテス議員が「トイレの水を飲んでいた」とする発言は「嘘」だと語り、「彼女は同時代のアメリカ国民をゴミだと形容しているのだ」と批判した。
また、ラシダ・トリーブ議員について、オマール議員と911について見解を一つにしていると述べた。アフリカ系アメリカ人のアヤナ・プレスリー議員については、エルビス・プレスリーの親戚なのか、とからかい、「同じ肌の色の人は、全員同じ考えかたをしなければならないと考えている。彼女は黒人の声とならない黒人は必要ないといっているんだ。」と述べ、「私がそれを言ったらすべておしまいだろう?」と観衆に語りかけた。
「今夜、私は、憎しみに満ちて我々の国を引き裂こうとする過激派に提案がある。彼女たちは一度も良いことを言わない。だから言おう”嫌いなら、帰らせろ。帰らせろ」と、これまでの発言を繰り返した。
トランプ大統領は14日、「アメリカ国民に向かって、政府の運営がどうあるべきか悪意をもってわめく」よりも「出身国に戻って、問題を修復したらどうなんだ」と、4人の議員に向けたツイートを発信した。ツイートの直後から民主党指導部が厳しく非難をするものの、記者会見の場でも同様の発言を繰り返してきた。16日には、発言は人種差別にあたるとして、民主党下院では非難決議が可決された。