6月に開催が決まった大統領選候補者によるテレビ討論会で、トランプ前大統領は米国史上で初めて、足首に監視装置をつけて争う候補者になるかもしれない。
トランプ氏とバイデン氏の両陣営は16日、少なくとも2回の討論会に参加することに同意した。1回目は6月27日、2回目は9月10日に開催される。
故三浦和義氏のほか、マイケル・ジャクソンの訴訟に関わった著名な弁護士マーク・ゲラゴス氏は16日、元FOXニュースの司会メーガン・ケリー氏の配信番組で、現在公判中の「口止め料」裁判で「彼(トランプ氏)は刑務所に行くだろう」と語った。陪審員の95%が民主党支持者である上に、判事がトランプ氏に侮辱罪で懲役刑を科す可能性を示した点を挙げた。
トランプ氏は、ポルノ女優に支払われた口止め料に関して、業務記録を改ざんしたとして34の罪で起訴されている。これに加え、判事は先週、トランプ氏が証人や家族へのコメントを禁じたかん口令に繰り返して違反したとして、侮辱罪により「懲役刑を検討する必要がある」と警告した。
ゲラゴス氏および番組に共演した検察官マーシャ・クラーク氏によると、州裁判所が扱う事件で、侮辱罪を含む複数の罪で有罪となった被告人のうち、直ちに拘束されなかった例は見当たらないという。
州で有罪評決が下ると、被告人はその場で時計からペン、ベルトなどあらゆるものを没収され、手錠をかけられて勾留施設に連行されるという。
ただしクラーク氏は、トランプ氏のケースは特殊であると指摘。量刑の判決が下るまで被告人が拘留されないケースは「見たことがない」としつつ、「これはトランプ大統領だから起こらないだろう」と語った。その場合、裁判所は身動きを制御するために「一時的な措置」として、パスポートを取り上げるほか、「足首に監視装置をつけられるかもしれない」と加えた。
ケリー氏によると、最終弁論は早くて来週木曜日に行われ、陪審の評決は2週間以内に下る可能性がある。そうなった場合、トランプ氏は6月の討論会に監視装置をつけて出席することになるかもしれない。
ゲラゴス氏はまた、トランプ氏は有罪判決を受けることを確信しているとも主張。討論会に敢えて同意したのは、判事を選挙妨害として非難するための「先手」ではないかと考えを語った。