7カ月間以上にわたって投票不正を唱え続け、最近では8月に大統領に復帰すると周囲に話をしているとの噂も飛び出していたトランプ前大統領が、選挙後はじめて、公に敗北を認める発言をした。
バイデン大統領とロシアのプーチン大統領の初会談が行われた16日、トランプ氏は、ショーン・ハニティ氏が司会を務めるFOXニュースの番組のインタビューで「驚いたことに、われわれは6,400万票で簡単に勝利するはずで、7,500万票を獲得したが、勝たなかった」と言明。続けて「しかし、これがどうなるか様子をみよう」と語った。
トランプ氏は議事堂襲撃事件の翌日に発表した声明で、新政権が発足することを認める発言をしたが、勝敗を直接口にしたことはなかった。
一方、トランプ氏はアリゾナ州マリコパ郡でいまだに行われている監査を注視していると伝えられている。監査の結果が選挙結果に及ぼす法的な影響はないとされているものの、「様子をみよう」という言葉の中には、大規模な不正が見つかることを期待していることが伺える。
支持者の間では、トランプ氏が近く大統領に復帰するとの憶測が飛び交っており、ポリティコとモーニングコンサルトが今月行った世論調査では、共和党支持者の3割近くが、トランプ前大統領が年内に大統領に復帰する可能性があると考えていることが判明した。
なお、ニューヨークタイムズのワシントン担当記者、マギー・ハバーマン氏はCNNの番組で、今回の米露首脳会談は「トランプ氏の周辺とトランプ氏自身にとって、彼がすでに大統領ではないという事実をことを強調したイベント」と分析。会談は、トランプ氏がかつて享受した世界の舞台であり、地位の象徴で、トランプ支持者にとって「”ああ、他の誰かが大統領で、ドナルド・トランプではないのだ”と思わせる瞬間だった」と話した。
今後について、トランプ氏は前述のハニティ氏のインタビューの中で、再出馬は2022年の中間選挙後に検討するとしつつ「(世論調査の)数字を見てみると、人々は以前にも増して私のことを好きなようだ」と自信を示した。
ちなみにYouGovが5月に実施した世論調査では、バイデン氏の支持率(48%)がトランプ氏(36%)を大きく引き離す結果となっている。