国内の大学卒業したら永住権、トランプ氏が発言

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厳格な移民政策を公約に掲げるトランプ前大統領が、これまでの考えを一転。米国内の大学を卒業した人物に永住権を付与する考えを示唆した。

トランプ氏は2017年の就任後、大統領令「Buy American and Hire American」(米国製品を購入し、アメリカ人を雇用する)を発令。専門性の高い知識や技術を有する外国人労働者に付与する就労ビザ(H1B)を取得するための要件を厳格化するなど、米国人の雇用確保を優先するための規則に取り組んだ。

20日、テック業界の著名な投資家らのポッドキャスト番組the All-Inにゲスト出演したトランプ氏は、バイデン政権の移民政策を「彼らは国境を解放したがっている」「われわれの国境は世界史上最悪」と非難する一方で、自らが実施した亡命希望者を”メキシコで待機”させる「移民保護プロトコル」政策について、「それは良かった、素晴らしいものだった」と自画自賛した。

ホストの1人から「われわれの国には高度な技能を持った労働者が必要だ。・・世界中の優秀な人材をアメリカに連れてくるためのさらなる能力を与えると、われわれに約束して欲しい」と求められると、「ハーバードやMIT出身者を失うのは実に残念なことだ」と回答。さらに、2年制を含む大卒者が「卒業証書の一部として自動的にグリーンカード(永住ビザ)を取得でき、この国に滞在できるようにすべきだ」と述べた。

トップクラスの大学を卒業した人々が、起業の構想を持ちながらも、やむを得ず中国やインドに帰国したり、それらの人々が母国で億万長者になった例もあると述べ、「それはここでも実現できたはずだ」と主張。さらに、「トップの成績で学校を卒業した人が、この国に滞在することができないと思ったから、企業と取引することすらしなかった。そのようなことは初日に終わるだろう」と就任直後に、要件の変更に取り組む姿勢を示した。

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MAGAの支持基盤からは、早速反対の声が上がった。

トランプ政権で首席戦略官を務めたスティーブ・バノン氏は21日、自身のポッドキャスト番組War Roomで、「出国ビザを卒業証書にクリップ留めしておくべきだ」と反論。大学を卒業したら、祖国に戻って国家のために働くべきだと主張した。「人は大概、彼らの出身地や文化、社会、仲間のいる場所に戻りたいと思っている」と述べつつ、「国のために働き、国を再び偉大にせよ。それが地球上の国々として、われわれが進むべき道だ。イギリスのように、すべてを吸収することはできない。そうすれば、互いに抜け殻になってしまうだろう」と語った。